半年後…
第一話プレイヤー転生する
詰んだ…終わった…
何度見ても変わらないステータスと職業種族を見てとあるプレイヤーは絶望していた。
またそのプレイヤーはステータスを確認する
name 骸ノ宵 :秘匿 とあるプレイヤーのプレイヤー名
種族 封印されし死神
職業 呪術師
Lv 1
HP 10
MP 10
STR 1
VIT 1
DEX 1
INT 1
AGI 1
MND 999
STP 0
SP 0
skill:瘴気発生 精神支配 完全支配 処刑執行 精神抵抗 MND強化 睡魔生成 従魔化
unique skill:《心冥》使用不可
スキルを使用すると一人の完全に精神を支配した者を即死させる。(MNDが相手のMND×3で判定)
なんでこんなことに…──
*
俺は自由な時間をあなたにというキャチコピーに惹かれて前評判もかなり良かったことからβテスターに申し込み見事当選して当時流行っていたMND戦士ビルドでプレイをしていた。
当時のMNDは弱体化前でとても使いやすく強力だった。
精神魔法で相手の動きを鈍くして一方的に殴るということができてしまったためである。
しかし暴れすぎると弱体化はやってきてしまうもので、精神魔法の成功率はβ版ではMNDが相手の1.5倍あれば必ず成功して麻痺より相手の速度が鈍り、魔物相手だともはや従魔にできた(ボス以外)。
弱体化した現在では精神魔法はMNDが相手のMNDの3倍ないとそもそも通じずに、三倍あってもかかるかは確率になってしまった。
魔物相手だとその魔物のMNDの3倍であると発動して確率でかかり、従魔にするには従魔化というスキルが必要になってしまった。
この弱体化によりMND戦士はほとんど消え去り俺もはじめの頃はMND戦士で頑張ろうとしたが、MNDにふるとダメージが通らなくなり、もはやSTRやAGIにふってただの戦士になる方が強いと
いう状態だった。
じゃあMNDに振りまくって精神魔法を極めればいいじゃないかと思っただろうが、発動までは行くがその後の確率が相手のMNDが10でもあると40%まで下がる。
先の方まで行くとMNDに振っている人はあまりいないので精神魔法にかかるかもしれないがその後どう殴るそれが問題になった。
一応MNDでも支援魔法の効果は上がるがINTにふったほうが効果は上がる。
これによりレベル30のMND支援魔法使いより、レベル10のINT支援魔法使いが強くなってしまうのだ。
つまりMNDはゴミ、つまり地雷ステいや核爆弾ステと呼ばれるようになってしまった。この惨状で誰がMNDふりをすると思いますか?ということで俺は人族の戦士で、また一からやり直す羽目になってしまった。
*
FTOはサービス開始から半年たって第二陣と大規模イベントが予告されていて、それに合わせ俺も第三の
レベリングしていたら割りと奥の方まで来てしまっていたみたいで、
経験値もそこそこ溜まっていたので戻ろうかとしたときに、沼に石板が沈んでしまっていた。恐ろしく深く沈んでいる視界不良無効がなかったら見逃してたぜ。
俺は石板に近づいて書いてある文字を見てみると、
[Der König des Todes ist hier versiegelt]
と書かれており、厨二病の嗜みのドイツ語だと秒でわかったので、解読して
[死の王ここに封印す(厨二病変換)]
そうすると無性に読み上げたくなったのでそのまま声に出して、
「死の王ここに封印す」
といっては見たものの何も変化がなかったので、他のプレイヤーのいたずらかと思い立ち去ろうとしたが、ここで俺に電流走る。封印されてるんだからさらに封印の呪文?を唱えたとしても意味がないではないかと…
そこで俺はさっきと逆に
「ここに封印されし、死の王の封印を解け!」
と言い放った。
────ゴゴゴゴオォォォォ
石板のところらへんが開くのかなぁとか思っていたら、たしかに石板のところは開いたがそこから手が出てきて穴に引きずり込まれた。
*
目が覚めると知らない天井だった。
中は暗くじめじめしていた。
しかしその暗くじめじめしていた穴の中の情景とはうってかわって俺の心情はこれは未発見の隠しダンジョンなのではと心躍っていた。
まず掲示板に
『隠しダンジョン見つけたわww』
と書き込みをして、外の情報を覚えていた限り書きのんだ。続けて
『ちょっと攻略してくるわw』
と書き込むと、
『流石にもうサーデムの辺りには隠しダンジョンないだろw嘘乙w』
『あったとしてもお前じゃ攻略は無理だろw』
などと書き込まれたため
『負け惜しみ乙』
と書き込み、攻略を開始した。
*
ちなみにここのダンジョンの名前ってなんだろうと思ったので、メニューから地図を開き、ダンジョンの項目を選んだ。
大体のダンジョンはこれで名前がわかるのだ。しかしそのダンジョンは名前が
[豁サ邇九?譛?譛溘?蝨ー]
となっており何一つ読めなかった。
まぁそんなことより掲示板の奴らが来ないとも限らないのでさっさと攻略してしまおうと足を早めた。
*
[豁サ邇九?譛?譛溘?蝨ー 第四階層]
思ったより先に進むことができた、なぜかってそれはここに来る前にゾンビ狩りをしていたためゾンビやスケルトンなどの死霊系に特攻の武器を持ってきていたためであーる。
そんなことより第四階層から1ダメしか入らない魔物が多く出現するようになってきた。
コイツらとは戦っても今の俺には何も旨味がないため、無視して進むことにした。
しかし魔物は無視してくれないので[隠密]を使いほとんどの魔物を無視して進み第四階層を攻略しようとしていたら、突然どでかい扉があった。
これ絶対ボス部屋だと推測した俺は迷わずに扉を蹴破り開けた場所に出た。
*
ぺろぺろぺろ──
これは倒しのか?
ぺろぺろぺろぺろ───
何故か倒したわんこ(狼)に顔を舐められている俺はどうしたらいいのでしょうか?
ということでね、やってやりましたよ。おい!噛むな!やめろ
まぁこいつのことは気にせずにまぁ〜俺の敵じゃなかったってことで…だから噛むな!HPドレインするな!
ホントのことを言うとボス部屋に入ったらこいつが床から出てきましたねこの有り様ですよ。ハハ
よく見たらはじめから奥の扉は開いてたみたいで素通りしようと思ったらできたらしい寝てたしこいつ。
もうそろそろ出ようとしたらついてこようとしたがボス部屋の扉に挟まって出れなかったぽい。
ちなみに鑑定結果
no name
種族 シャドウフェンリル
Lv ■■■
ここまでしかわからなかった。レベルが三桁以上は確定していたので戦っていたら俺は一瞬でミンチになっていただろう。
[豁サ邇九?譛?譛溘?蝨ー 第5階層]
ここは報酬部屋だろうか初回踏破ボーナスとかありそうだ。それにしても結局掲示板の奴らは来なかったのかとても静かだった。
俺は真ん中においてある黒光りしている宝箱に手をかけ、一気に開いた。
・呪われし死神のローブ、呪われし死神のブーツ、呪いの偽装面、血宵鎌を入手しました。
・呪いの死神シリーズを入手し、呪いにかかりました
は?
[条件を満たしたため、ユニークモンスター《封印されし死神 骸ノ宵》へと転生します]
[2つの魂が混在しています。弱い魂は強い魂に吸収されます]
は!?
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