ルックバックパスト!!!

秋氷柱

第0話 これまでとこれから

「…え?」


 物静かな教室にカラッとした、だけど温かみのある言葉が響いた。


「だから、私達でやればいいじゃん!」


 思わず見とれてしまった。

 夕日がきれいに差しているこの教室にありえないほど鮮明で、真っ直ぐな声が響き渡った。

 2、3秒の間、息をするのも忘れてその言葉を噛み締めていた。


「…っ!」


 俺はようやくそれが嘘だと気づいた。こいつは常にこんな感じだ。

 嘘を本気のように言い、それにつられて俺が食いつくと、

「何言ってるの?嘘だよ(笑)」とでも言いそうな目をして俺を馬鹿にしてくる。


 …だが今回は違う気がする。

 今回だけは本当にやろうとしている。

 いつもとは何かが違う…そんな気がする。


 気がするだけかもしれない、というか十中八九そうだろう。まあ気のせいか。


「おい、また俺を騙そうとしたってそうは…」


「本気だよ?」


 …二か一が当たった。



 時は遡ること6ヶ月前……

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