練香士

オアク

第1話 香水の都

人類の長い歴史の流れで花は欠かせない一環として我々の生活を豊かにしているのだ。例えば、気持ちの悪い時、いつも静かに公園のベンチに座って目の前に咲き乱れる花の様子を見て、そうすれば少しでも心の治癒になるはずだ。いわゆる心の薬と言えるだろう。それだけでなく、数千年前、人類が花の中に香りを帯びた成分を様々な手段で抽出して今私たちによく知られている香水を作り始めた。香水を作る材料の中で、一番人々の注目を受けているのは花に違いない。なぜかというと、花は美しい外見をしているうえに、どんなに悪い環境にあっても人を引きつけられる香りを頑強に放っているのだ。だからこそ、花を材料にして作り出した香水の効果は驚くほどいいわけだ。室内の臭みを取るのは言うまでもないのが、以外に人の情緒を安定させる効果もある。

今、香水の都と呼ばれるマコスドは毎年大量の香水を製造して大陸の各地へ船で運輸しているのだ。マコスドには百メートルごとに香水を販売する店が見える。香水はすでにここの経済を支える柱となっている。

なぜ、ここは香水の製造に熱中しているのか?

歴史上の記載によって、以前のある海賊は海を渡っていた時、偶然に今マコスドの位置する島を発見した。初めて海賊はこの島がただ何の価値のあるものもない島だったかと思えば、ある日、彼は意外に島の森林の奥から漂ってきた香りに心を奪われて、奥へ足を踏み入れた。時間の流れも忘れて、疲労も知らずにこのまま歩いて大体一時間かかってようやく森林の果てに着いた。

「なんて素晴らしい香りだろう!そんな小さいな花がこんな香を放つなんて不思議だ!摘んで詳しく観察してみる!」

話が終わるとその海賊は腰を曲げて花を摘んで愉快な気分で海賊船が泊まったところに向かった。

その時、化学の知識を備える人がとても少なかったから、その花を持っていてもできることは全然なかった。それにしても、新しい島が発見されたという消息が速く人々の間に広がって、その島を訪れに来た船隊も増えてきた。当時、船隊と同行した科学者はその花を摘んで、研究室で多くの手段を施してその中に含まれる化学成分を一々と抽出して分析した。その結果、その花の中には名前も知らぬ成分があるということを明らかにした。しかし、残念なことに、その花は短い時間が経て枯れてしまった。だから、その香りを長い時間に保存するために古代の技法を参考にして、その花を使って香水を作ってみた。成功した!すると、多くの人はその島に行って、香水を作る営みがブームになった。それはマコスドの由来だ。

でも、まだ一つの疑問が残っている。もしみんなが何の制限を受けないでその花を摘んだらきっとその花の滅びる日が来るだろう。違う!その島の森林は短時間でその花を再生させる魔力があるから!

その事実を知ってから、マコスドでの香水を製造する産業が盛んになり始めた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る