第7話 出会い

「食うか食われるか」

「命ある限り食え」


自然界の定足。

オニヤンマも例外ではない。


オニヤンマの天敵は、主に鳥やコウモリ。

同じ昆虫では、カマキリなどが天敵になる。


『天敵はいないよ。君の世界には・・・』

天使はそう言っていた。


かすみである、形だけの餌を食べて、寝る。

その繰り返し。


「ねえ、天使さん」

『何?』

「僕、決まった範囲しか飛べてないきがする」

『気が付いた?』


オスは縄張りをつくり、その範囲しか飛べない。

メスは自由に飛べる。

つまり、縄張り内にメスが来ないと、結婚は出来ない。


最近の研究では、本物のオニヤンマはオスをメスと勘違いしたり、

羽が回っていればメスと認識し、つっこんでいって粉々に・・・


やめておこう。


『じゃあ、メスをおくるね』

「ああ、霞ね」

『ううん。本物だよ』

「本物って・・・」

『私がメスのオニヤンマに化けるから』

「あっそ」

『それだけ?』

「うん」


トンボの交尾は見たことある。

器用だなと、思っていた。

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