甘いジャム
堕なの。
甘いジャム
自分は美しいと知っている。他の者と比べても艶があり輝いている様は誰が見ても美しい。私がこれを認識したのは、まだまだ幼い頃だ。よく会いに来てくれる人たちもこの子は別嬪さんだねぇと褒めてくれた。
だがしかし、美しさというのは永遠ではないことを私は知っている。私たちは普通に生きれば緩やかな終わりを迎え、地に落ちてしまう。だから、その前に誰かと一緒にならなくてはいけない。
「ジャムを作ろうかと思って」
不思議なお姉さんが来た。全身真っ黒で暑くないのかなと心配になった。
「君もそう思うよね」
うん、そう思うよ。ジャムは甘くて美味しいからね。それに綺麗な色をしている。
お姉さんは果物と透明な瓶を買った。その瓶は綺麗な絵が描かれていて気分が上がる。それ以上の用はないのか、お姉さんは私を連れて家に帰った。
お姉さんは果物をことこと煮込む。まさかお姉さん自身がジャムを作るとは思わなかったが、別に悪い気はしなかった。
「できた!」
お姉さんは私をペロッと舐める。私はマーマレードジャムになった。
甘いジャム 堕なの。 @danano
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