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あずきが古風先生が高校からいなくなる、という話を友達のくるみから聞いたのは、それから三日後のことだった。
その話を聞いたとき、あずきは本当に世界がくらくらとして自分が(その場で)倒れるかと思った。
「ちょっと、あずき、大丈夫!?」
もともと色白の顔をさらに真っ白な顔をしているあずきにくるみがいう。
「……ごめん。あんまり、大丈夫じゃないかも」
無理に笑おうとしながら、あずきは言う。
くるみはあずきを保健室に連れて行った。
あずきは保健の先生に見てもらって、白いベットで放課後の時間まで横になっていることにした。
「本当に大丈夫、あずき? あなたまるで幽霊みたいな顔しているよ」
と冗談っぽくその両手をだらんとして、幽霊の真似をしながら明るい顔でくるみが言った。
「大丈夫だよ。本当に大丈夫」
とあずきは小さく笑ってから、くるみに言った。
くるみは午後の授業に出るために保健室を出て行った。
一人になったあずきは白いベットの中で、ずっと古風先生のことを考えていた。
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