物語大絵巻(その一)
@k0905f0905
第1話
「今日、ちょっと飲みにいかないか」
大井戸俊太が同僚の久米波子を誘った。
「ダメよ」
「どうして」
「今日は、ちょっと」
波子はそれ以上どうしても
言おうとしない。
「わかった」
大井戸は体よく断られているとも
思ったが深く追求しなかった。
「また、寂しい我が家に帰るか」
大井戸がマンションに帰った。
灯りがついた。
「ハッピーバースデー」
みんながいた。同僚たちが。
「合鍵、もらってたでしょう。それで入ったの」
波子の明るい声がした。
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