第2話
ふむ、俺が転生してから5年が経った。前世ではただの一般人だったから今とは口調が違ったが、俺が転生した先は帝国の国王の一人息子、つまりは皇太子ということである為、将来帝王になった時に向けて、この様な前世の価値観で見れば傲慢不遜な口調で話す様に教育されている。この俺よりも身分が高いのは父上しかほぼいない為、敬語を使うこともほぼない。
「リアム様、失礼してもよろしいでしょうか?」
「ああ、入って良いぞ」
「了解致しました。失礼致します。」
この世界ではどの国でも、子供が5歳になったら教会へ連れて行き、そこでどんなことに対して才能があるのか、逆に何に対して才能がないのかを神のお告げによって教えてもらうという文化があるらしい。
今日は俺が教会へ向かう日となっているため、わざわざメイドがいつもよりも早い時間に俺の部屋に来て、俺の服を選び、着させているということだ。
前世に読んだことがある本で、人の印象の8割は髪型とか載っている記事があったな…
まあ、実際はそんなに髪型の印象の割合は高くはないと思うが何もしないままよりはずっとマシだろう。
「髪型を確認したい。鏡はあるか?」
「はい、こちらにございますよ」
髪型を確認するついでに俺の顔でもみてみるか。
やはりいつ見てもイケメンだな。これが前世の顔で言ってたらなんか可哀想な人がいるの一言で片付けられたかもしれないが、今の顔は本当に物凄い美形だ。男前というよりは、中性的な顔立ちの美少年って感じの顔だ。まだ5歳だが、将来は傾国の美女ならならぬ、傾国の美少年になるレベルのイケメンだ。5歳の顔で前世のアイドルでは太刀打ちできないレベルになるってわかるほどの美形ってマジでどうなっているんだろう?
サラサラヘアーの金髪に緋色の瞳で、名前は先ほどメイドに呼ばれたようにリアムという名前。これが今世の俺の簡単な紹介か。
「ふむ、まあこれでいいだろう。」
「では、お下げ致します。」
そう言って俺の持っていた手鏡を片付けてくれるメイド。流石この家に仕えているメイドだな。気遣いが完璧だ。
「ではお召し物はこちらでよろしいでしょうか?」
「ああ、それで良い。頼む。」
「了解致しました。お任せくださいませ。」
服もセンスがいいメイドが決めてくれるから俺はそれに許可を出すだけで服を選ばずに済むし、なんならボーとしてるだけで着替えまでしてくれる。最初の方は流石に着替えまでしてもらうのは恥ずかしかったが、5年も経てば慣れるものだ。
「リアム、そろそろ準備はできたかい?」
そう穏やかな声で尋ねられる。この声の主こそ、限帝王のアース・クロフォード、俺の父親だ。こんな声からは想像がつかないほど、物凄い敏腕らしい。だが父上は俺にはまだ仕事を見せるのは早いと思っているらしく、俺は父上の仕事姿を見たことがない。まあ、もうじき将来俺が帝王になるときの教育として仕事姿を見ることになると思うがまあいい。
「父上、準備できました。」
「了解した。では後10分後に教会へ向かうから、馬車に乗るために玄関へ来てね。」
「はい。」
俺が敬語を使う相手は父上と母上しかいない。他の人たちは俺よりも身分が下だし、一時期は敬語を使っていたが、王族の威厳がなんたらで使うことを禁止された。
ほぼ全員に対して言葉遣いや態度を変える必要性がなくなって楽ではあるがな。
まあ、父上と母上には敬語で話すが。
「さて、そろそろ玄関へ行くぞ。」
「はい、リアム様。」
そろそろメイドの準備もできそうなのでメイドに声をかけると了解との旨の返事が返ってくる。
赤い高級そうな赤色の布に金色の刺繍がされているカーペットが敷かれている前世の家では考えられない長さの廊下をメイドを連れて歩き、玄関まで向かう。地味に移動が面倒臭いな。全く贅沢な悩みだ。
俺が玄関に着くと父上と母上はもう既に待っていた。
「父上、母上、お待たせしました。」
「大丈夫よ、私も今来たところだし。」
「僕も今来たところだから気にしなくていいよ。さて、家族全員揃った事だし早速行こうか。ぜルース、御者は君に任せたよ。」
「はい、お任せくださいませ。帝王陛下。」
「うん、よろしくね。じゃあみんな馬車に乗ってね。」
父上のそんな一言で俺たちは馬車に乗った。
因みに先程父上がぜルースと言った男の人は家の執事長を務めている人だ。
そんなぜルースが御者を務める馬車に揺られながら俺たちは教会へ向かった。
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作者のK4Iです。
もう一つ私が書かせていただいている小説をカクヨム様で掲載させていただいていて、そちらの方で少しお話しさせていただいたのですが、私の通っている高校が自称進学校なのですが、先日自称進では当たり前のベネッセ様の有難いお話を聞く講演会が学年集会で50分かけて開催されました。
別にベネッセ様のことを馬鹿にしているつもりはないのですが、これが巷に聞く自称進の奴だな〜と思いながらお話を聞いていました。
そんな事があったのですが、先ほども話した様に、私の通っている高校は自称進なので、課題・テストの量が半端じゃないです。その為、更新頻度がとても遅いと思います。ですが、私なりに頑張っていきたいと思いますので、少しでもこのお話が面白いと思いましたら、応援や、フォローや⭐︎、ハート、コメントよろしくお願い致します。
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