どこの世界でも…

@J2130

第1話 村人に訊いてみよう

「まずはあの人に訊いてみよう」



 突然飛ばされたこの世界。

 前世で何があったかは気にしないで欲しい。



 とりあえず善良そうな村人にこの世界のことを訊いてみよう。

 それからだ…

 いわゆる冒険とかスローライフとか…



「すいません…こちらの村の人ですよね…あの…いきなり来たんでよくわからないので教えて欲しいのです、いろいろと…」

 鍬を肩にかけ、綿の帽子をかぶりグレーのつなぎを着、日焼けしたやさしそうな男に僕は声をかけた。



「ああ…またてんせいしゃっていう人だね…」

「はい…そうです、恥ずかしながら…」


 慣れている様子だった。



「えーとね、まず一つ間違いだな…」

「はぁ…? 」


「この前行政の効率化とかいってね…近隣の3村と合併してさ…」

「はぁ…」



「もう村じゃないんだよ」



「………」

「だから俺たち “villager” から “citizen”。

 村人から市民になったんだ…」


「そうですか…」

 転生先って “村” じゃないのか…最近は。

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