昔話
@Tutti__TRPGmob
これまで
むかしむかし、あるところに小さな女の子がいました。
女の子はとても器用で、勉強も運動もなんでもすぐにできました。
そのうえ明るい性格で、周りにはいつもたくさんのお友達がいました。
ある日、いつものように女の子が友達と遊んでいると、
「あおいちゃんってほんとうになんでもできるんだね!」
つい最近転校してきた子の声が聞こえました。
「わたし、もっとあおいちゃんとなかよくなりたい!」
女の子は驚きました。
これまでの友達はみんな自分をほめるだけで、特別に仲のいい子はいませんでした。
そんなことを言ってくる子は、初めてだったのです。
女の子は笑顔で受け入れました。
それから、ふたりはとても仲良しになりました。
どんな時でもいっしょにいて、同じことをしていました。
中学校も同じところにしようね、と約束して、同じところに行きました。
そして、しばらく月日が流れます。
女の子は中学3年生になりました。もうすぐ高校受験がはじまります。
女の子は、高校も一緒のところがいいね、と言いました。
しかし、その子は首を横に振りました。
「無理だよ。葵ちゃんと私じゃ学力が違いすぎるもん。」
女の子は首を傾げました。
確かに女の子の志望校は県内トップの進学校でしたが、そこまで難しくないところだよと女の子は言いました。
その瞬間、
「いい加減にして!!」
その子が声を上げました。
「いつもいつも葵ちゃんばっかり何でもできて、私はいつも中途半端で笑われてばっかり!ちょっとは比べられる方の気持ちにもなってよ!」
女の子は、何を言っているのか分かりませんでした。
分からなくて、何も言えずにいると、
「もういい。葵ちゃんなんて、もう友達じゃない。」
そう言って、その子は帰ってしまいました。
それから、女の子は無事に志望校に合格し、高校生になりました。
新しい学校生活の一日目、女の子は教室に入って気付きました。
友達の作り方が、分かりません。
必死に取り繕いました。
学級委員長になりました。
成績もつねに一桁でした。
体育祭ではとくてんおうになりました。
おひるのラジオばんぐみも盛り上げました。
それなのに、女の子は一人ぼっちでした。
なにもわからなくなりました。
てがみがとどきました。にらとるふ、とかかれています。
どうやら、へんにゅうあんないのようです。
そののうりょくが、たかくひょうかされたようです。
わからないので、とにかくどういして、いってみることにしました。
べんきょうもできてすぽーつもできて、ちょっとおしゃべりなおんなのこ、
みやま あおいとして。
昔話 @Tutti__TRPGmob
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