うみになりたい

本の花

うまれかわったらうみになりたい

 後で悔やむと書いてこうかいと読む。いったい誰がそんな言葉を作ったのだろう。後悔という言葉があるから人はこうかいするのだろうか。

 どこから間違えたのだろうか。なにを間違えたのだろうか。もう一度やり直せたとしてもきっと何も変わらない。

 過去からは何も学ばず、過去の栄光にすがって。あるかもわからない未来を憂いて、現実から目をそむけて。

 ただただ時間だけを浪費して、なにをしているのだろう。

 もう誰もたすけてくれなくて、もう誰もたすけれないそんなところまできてしまったのだろう。

 準備されていたレールがいつの間にかなくなって。自ら脱線したのか、そんなものもともと存在していなかったのか。

 自分で考えることもしないで、誰かの言葉をまるで自分の言葉のように使って。

 どんどんどんどん沈んでいく。

 いなくなってもすぐに忘れられる。そんな存在で。

 ゆらゆらときえていく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

うみになりたい 本の花 @honnohana

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ