第27話 探索作戦開始
『経験値を120獲得』
『経験値を5獲得』
『経験値を140獲得』
『経験値を20獲得』
『経験値を170獲得』
お、今までの下級中級のモンスターの物ではない一際大きな経験値が入り始めた。
探索作戦が始まったのだろう。
既に俺のレベルは100を超えているが、これがどこまで上がるかだ。
そして、『千剣の盃』ギルドが何階層まで踏破できるか。もしも最深層に行けたとしてダークエルフに挑むのか。
一般的に考えれば、初めてのA級ダンジョン攻略者になって欲しい。
けれど、個人的に言えばダークエルフは俺が倒したい。
結果がどっちでも嬉しいし、どっちでも残念だ。
そんな風に考えながらログを眺めていた。
すると、どんどん経験値の量が多くなっている。
どうやら探索は順調なようで、そろそろBランクモンスターが現れたようだ。
入ってまだ5時間程しか経って居ない。
かなり速いペースだ。鑑定の情報が役立っているのか、それとも千剣の盃の能力が高いのか。
しかし、ペースが順調ならこれ以降スカイフォートレスに挑む探索者チームも増えるだろう。
ダークエルフ以外は最高でもBランク相当のモンスターしか出現しないのなら、A級の探索者が一人でも探索隊に入っていれば負ける事はまずないだろう。
個体ごとの性能も分かってるしな。
俺の鑑定が動画や画像に対しても有効だったら、誰かが撮影してきた情報も鑑定できるんだけどな。
今の所実際にその現物を見ないと俺のスキルは発動しない。
「偵察って感じか……」
日が落ちるのを待つ事なく、経験値の入りが止まった。
多分一度拠点に戻ったんだろう。
探索者がダンジョン内に作り出す拠点だが、ダンジョン産のアイテムである『妖結石』という素材で作られた砦が基本となる。
英語名では『アンチモンスターストーン』。その石にはモンスターが近づいて来ないという特性がある。
まぁ、量が少なすぎると意味が無いし、高位のモンスターならそれを突破する事も可能だからあまり深い階層にこの方式の拠点を設営する事はあまりない。
今日の所は『千剣の盃』はもうスカイフォートレスには入らないだろうから、ステータスの確認でもするか。
1、2レベルは上がってたし。
―――
天空秀 19歳 男
クラス『鑑定士』
レベル『112』
体内魔力量1210
身体強化率1210
スキル【鑑定lv23】【収納lv21】【観察lv19】【模倣lv17】【透視lv15】【魔眼lv13】【先視lv11】【精霊lv9】【鷹眼lv7】【魔壁lv5】【兵霊lv3】【空立lv1】
―――
レベル100はAランク探索者と同等のレベルだ。
しかし、中身を見てみると魔力量身体強化率共に俺は彼らと比べて頗る低い。
魔力量はリオンさんにも負けるレベルだ。
ただ、スキルの数はかなり増えた。
流石に今までのペースでレベルアップする事は無くなったが、それでも経験値の入り方的に一週間に一度程度はレベルが上がる。
このまま、動画投稿を続けて居れば、何れ俺が最強の探索者になれる。
いや、そんな事は無いか。
如何せん基礎能力の強化率が低すぎる。
それに俺のスキルは自分で戦うというよりは支援に向いている物が多い。
重要なのはやはり仲間だ。
リオンさん、秋渡君、耶散ちゃん。
この3人をどれほど強くできるか。
その日は、そんな事を考えながら眠りに付いた。
次の朝目が覚めると、清水さんからメールが入っていた。
『今日何時でも良いので事務所に顔を出してください。報告したい事があります』
との事だったので、朝一で向かう事にする。
どうせ、ダンジョン探索しかやる事無いし、ここら辺のダンジョンはほぼ巡ってモンスターもコンプリートしている。
もっと地方の有名じゃないダンジョンにも行かないと。
それから海外ってのもありだけど。
「どうしたんですか?」
事務所にやってきた俺は早速清水さんの元へ向かいそう質問した。
「それが、アメリカのギルドから鑑定のご依頼が届いているんです」
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