ちょうちょ

タムラ ユウイチロウ

蝶々

最近ちょうちょを見ていない

見ていないのか、見落としているのか

なんでも空回りが多く、ひとりでいるのが多い

部屋は暗く、心が散らばっている

帰ってきて、電気をつけて、目を瞑ると

すぐ時間が経つ

電車では隣に座る人はいない

目についたゴミを拾うようになったのは

いつからか


疲れてうずくまり、人の行先を

指の隙間からながめる

通りは賑わい、それでいて落ち着いている

近くに

熱をもった二人

手を繋ぎ

命をつなぐような

二人の語らいに、少しだけ揺らぐ空気

少しばかりの空腹

どうにか

眠りにつく


暗闇のなかで

目をちぎらんばかりの光がまたたき

ちょうちょの細身を焼いて

しかし燃え尽きることなく

遠くにいくさまは

そのようなこころであるき続けることの

はじまりのような姿で

むかえが来てほしい


たとえ

夢であれなんであれ

簡単に語ることは許されない

ちょうちょのことなど

だれが考える

だからこそ

多くが過程のちょうちょを忘れて

光に思いを馳せるようになる

みつけられたのは

自分であるからに他ならないと

言葉にしてみると

ちょうちょは

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ちょうちょ タムラ ユウイチロウ @you_monodiary

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