第6話

梅田で晩御飯も済ませ、自宅に帰って来た私は充足感に包まれていた。






梅田では靴とデニムとサングラスを買い、夏に備え、霧島は準備万端になった



靴は前々から欲しかったNIKEのAIR MAX、デニムも買おう買おうと思っていたが手が出なかったKUROのデニム、サングラスはオリバーピープルズのものを買った。




特に、オリバーピープルズのサングラスは何年も前から欲しかったもので、高すぎるがあまり手が出せなかったものだ。



ホクホク顔で家に着き、自宅で買ったものをまた試着し、ファッションショーを開き、とても満足した。





まだそれでも手持ちの資金は数万円程残っており、まだもう少しは遊べそうだなと思って、友達に還元してやろうと思い立ち、同じ授業を取っている友達に連絡した。




私には、こんな時に連絡する、決まった友達がいる。同じ学部で、自分と同じように田舎から進学してきており、似たような苦労を分かち合った仲の良い友達で、名前を清水という。




「もしもし。清水か。」




「おぉ、霧島ぁ。どうしたと?」




清水は大阪に来て一年経つが、まだ抜け切らない九州の訛りで答えた。ちなみに私にパチンコを教えたのもこの清水である。





「ちょっとパチンコで当てたから明日飯行かん?」




「お、やるやん。明日予定空けとくわ、8時ごろでよか?」




「わかった8時な。梅田でいい?」




「了解、じゃまた明日な」






電話を切った私は満足して、風呂に入り、疲れを癒した。




「いやぁ、まさかこんなに運が向いてくるとはねぇ。

あんなに刺激がないないいってたのが嘘みたいだわ。」

まだロレックスの実力は引き出したとは到底思えないが。



次は何をしようかと考え、ワクワクしつつその日を終えた。




株を買った翌日、大学の授業は午後の二講目からなので、ゆっくり起きた霧島はワクワクしながら、パソコンを起動し、ネットを開き、株価のチェックをした。






「…は?…。え、は、え、あ、?」

一瞬何が起きたのかわからなかった。






株価のチャートを見てみるとあり得ないほどの急角度で上昇を続けており、チャートを見ている現在もぐんぐん株価は上昇しており、昨日の段階でストップ高を記録していた。


現在の価格ももうすぐストップ高というところで、霧島は全額売ることにした。

「ストップストップ!」

ようやく売却操作をして何とか一心地付いた。

処理完了したそのころにはストップ高になっていたが。



前日の80万円分の株はなんと現在の段階で、200万円近くまで上がっており、私は改めていただいた腕時計がとんでもない腕時計だと再確認することができた




霧島はその約200万円を10万円分だけ普段使っている口座に送金し、残りをまた株式投資に充てることにした。






「今度は分散していくつかの会社の株を買おう」




前回の投資で感じたことを生かし、様々な会社の株を買うことにした。


なぜか今日は勘が冴えてる気がして、製薬会社と、家電メーカーと、大手の自動車会社の株を買うことにした。

特に製薬会社はなんかビンビン来て、たまにしか連絡しない親に頭も下げてお金を借りて、いけるだけ突っ込んだ。






株を購入した私はまた明日の楽しみができたと思い、大学に向かう支度を始めた。






昨日買った靴とデニムを履き、幸せな気分のまま大学に向かう。


なぜか今日は大学の授業もすいすいと頭に入り、普段はしない質問までしてしまい、授業の担当教授から、いい切り口の質問だと褒められてしまった。


金銭的に余裕があるとここまで気持ちが違うものかとびっくりしながらも、いつも通り授業を終えた。






約束の時間まではまだ時間もあるため、大学のパソコンルームで金儲けの方法を考えていた。






「このままやってたんじゃ資金が増えるまで全然時間がかかっちゃうなぁ」

なんとも生意気な悩みだが、心の中で一人ため息をつく。

しかし現状倍々ゲーム並みに資金が増えているのに、時間がかかるとはどうなのだろうか。






ほんの数日前までの私では思いもしなかったことを考えながら調べ物をする。




有名どころでいえば、宝くじや競馬などがあるが、調べていくうちで、その両方とも情報がどこからともなく漏れてしまうということがわかった。


知らない親戚が出てきたり、知らない友達が増えたりするとはゾッとする話だなと感じていた。




しかし、お金を稼ぐということにおいて、これはしょうがないかもしれないなと思いつつもインターネットのページを閲覧していると、清水との約束の時間にちょうど良い頃となった。






清水との約束の場所に向かうと、もう清水は来ており、私はお待たせと言いながら合流した。


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