PAPA

夫との間に、私も女性が終わる頃、男の子と女の子に恵まれました。


息子のときから、病院に付き添ってくれたり、長く入院した際もお見舞いにきてくれました。

彼のお見舞い品は面白く、遠く四国の病院へ東京から通ったとき、三國志の楽しい本をくれました。

そんな感じで、東京大学附属病院に幾度か入院したときもさだまさし著、精霊流しに始まり、産科ではNANAをさりげなくテーブルに置いていたので、ナースセンターでは新刊が出たと噂が立つ程でした。


あんなに小さく儚げで、生まれながらに辛いことを抱えていた娘も今は中学三年生です。

三者面談を三年生は幾度も重ねなければなりません。

兄のときから、三者面談は全て父だけが足を運んでおります。

仕事をギリギリまでして、帰宅するとスリッパと名札を持ち、子どもと先生の間に立って、私では話が分からないからと父親の中の父になってきてくれます。

私も裁判があったとき、あなたの話は分からないと言われました。

通院時に医師に伝えるのが精一杯です。

だから、私は仕事をしてはいけないのです。

娘は、ママが病気がなければホントに天才なんだよと、よく励ましてくれます。


そんなママですから、パパの気持ちをありがたく受け取っています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る