RAINBOW

私はね、動物はなんでも好きなんです。


小さな頃は家にドーベルマンも何故かいたそうです。

産まれたとき、母犬に踏まれても生きていたから、ラッキー号と名が付いたとか。


その後、初めて記憶にあるのは、ミーコちゃん。

お父さんが現場から昔の電話で連絡してきて、拾ったらしいとのことです。

元々、父が幼い頃、仔犬を拾っては厳しい生活をするタバコ農家に反対されたから、自由な一戸建てになって、自由な大黒柱になってみてやりたかったのでしょう。

そのミーコとの別れは凄惨でした。

突如として現れなくなったので、近所をミーコミーコと探し回りましたが、一向に見つかりません。

当時は汲み取り式トイレで、バキュームカーが来たときに、詰まるので確認したら、このようでしたと母が聞き、私にも説明がなされました。


その後、猫が父の布団の上でお産をして、叔父の木製引き出しに器用に仔猫を連れて育てたり、またあるときもオルガンで産んでいたりと、賑やかな猫生活を楽しんでいました。


弟が、猫は落としても怪我しないんだと階段の上から放り投げたことがありました。

お姉ちゃんはとても怒りました。

なんて可哀想なことをするのかと。

それから窓から庭に落としてもいましたね。

何度でも身につくまで叱ります。


そんな楽しい猫生活ともお別れのときが来ました。

兄弟して喘息の為に飼えなくなったのです。

父の一番上の兄が暮らす栃木に赴き、伯母さんにお願いしてきました。

そのとき、紐をつけていたのですが、首の後が茶がかかっているクビチャちゃんと白いクビシロちゃんは引き渡せましたが、白猫のオッドアイだったシロちゃんは裏の竹林へと脱走してしまいました。


その後はご近所で産まれた仔犬をいただいてきて、大和と名付けて可愛がりましたが、アレルギーには勝てずに、お向かいの女性に引き取っていただくことになりました。

あどけない彼女は、大和の車で轢かれてしまう最期までお散歩をしてくれました。


その後、我が家に志惟七ちゃんという犬の天使がくる日まで、うさぎのダンスが続くことになります。


猫ちゃん犬さん、その他にも色々おりました。

寿命だけは、人のなすすべもなく、祈るばかりです。

どの子ども達もとても可愛かったし、私も愛していました。

まだ、ママは虹の世界へは逝っていません。

それは、家族がいるからです。

娘など、毎日、ママ死なないでを繰り返しています。

ごめんなさい。

皆の戯れている雲の向こうにはまだ手を合せるしかありません。

もし、少しでも下の世界を思い出したら、苦しみよりも美味しかったものや楽しかったことを思い出してください。

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