第16話 経験値稼ぎ・続き2

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所持アイテム一覧

・特大フラスコ(聖水)16/16

・フラスコ(金プディンの粘質水)

・フラスコ(金プディンの粘質水)

・フラスコ(黄プディンの粘質水)

・フラスコ(猛毒薬E)

・ビン(プディンの粘質水)

・緑の魔石×40

・赤い魔石×44

・青い魔石×60

・黄色い魔石×198

・黄金の魔石×22

・回復草

・猛毒草

・猛毒草

・猛毒草

・猛毒草

・猛毒草

・猛毒草

・猛毒草

・猛毒草

(二ページ目へ)


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 レベルアップを果たしたのでアイテムを整えてログアウトしてすぐさまログインして十一戦目と参ります。


 黄プディンの数は九体。


 ……これ、あれですね。

 黄金のプディン戦を経験するごとに数が増える仕組みになってますね。

 その黄金プディンも定期的に出現している気がします。

 ということは、金プディンの粘質水ってあまり貴重なものでもないのかもしれません。

 使っちゃいましょう。


 っていうか、九体は多すぎます!

 部屋は広かったので逃げるスペースはまだありますが!

 もうフラスコ二刀流で行きます!



 できるだけ距離を取って、できるだけ多くを視界に収めて。


「はぁ、はぁ、はぁ……! 勝った……!」


 疲労困憊になりながらもかろうじて勝利を掴み取りました。

 相手の動きが素早くないという点に本当に助けられています。

 これで相手が私と同じくらいの速度で動けていたら詰んでいました。


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名前:セツ     レベル:13(レベルアップまで32Exp)

職業:薬師(生産系)

HP:24/24

MP:5/32

攻撃:19

防御:21

素早さ:29

器用さ:34


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 またMPがピンチです。

 九体を倒すにはMP27必要になるのでまた休憩ですね。

 ……っていうか疲れたのでMPがあったとしても休みます。


 私は安全地帯セーフティエリアで危うくログアウトしかけました。

 ……危なかったです。

 ここの安全地帯セーフティエリア、ログアウトできるのですが次にログインした時に強制的にボス戦をさせられる仕組みになっていたのをすっかり忘れていました。

 こんな疲れている時に水汲みチャレンジなんてしたくなかったのですが、アイテムが整っていない状態でのボス戦は『一からのやり直し』に直結します。


「……全然安全じゃないじゃん、ここ……!」


 私は愚痴を零しながら聖水を汲むのと猛毒草を採集しに全然安全じゃない安全地帯から飛び出したのでした。



……………………



 現実時間の夜。

 一回やって寝ようと思ってやったらレベルが上がってしまったため、二回やることになってしまいました。

 十二戦目も十三戦目も黄プディンの数は九体でした。

 ちゃんとその間にもアイテムの準備を怠らなかったので不測の事態に陥ることはなかったです。

 なかったのですが、一対九は本当に精神が擦り減ります。

 それを二連戦……。

 めちゃくちゃ眠たかったのですが、なんとか気力でアイテムの整理だけはちゃんとして今日は終了しました。


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名前:セツ     レベル:14(レベルアップまで44Exp)

職業:薬師(生産系)

HP:25/25

MP:3/33

攻撃:19

防御:22

素早さ:31

器用さ:36


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……………………



 そして日曜日の朝。

 昨日同様に早く起きて朝にやることを済ませた私は十四回目のボス戦をすることにしました。


 ログインして、ボス部屋への道が開通したのを見て独り言ちます。


「……たぶん、もうそろそろだと思うんだけど……」


 考えてみたらあれが出てきていたのは二回目、六回目、十回目でした。

 初めて出てきた二回目以外は黄プディンを三回挟んで出現するということが続いているのです。

 今回も三回黄プディンを挟んでいるので、出現する可能性があるのではないかと私は予想していました。


 その予想は的中します。

 ボス部屋に入ると――



――黄金のプディンが四体出現しました!



「来たっ!」


 興奮して思わず嬉しさが声に出てしまいましたが、お、落ち着け私……!

 つまらないミスをして死に一からやり直したくはないでしょう!?

 私は自分を落ち着かせて目の前の敵だけ意識するようにしました。


 もう九体同時に戦うという経験を積んでいますから、驕らなければ勝てるはずです。

 加えて言えば金プディンの粘質水もこのあと手に入れられるはずなので、惜しみなく使っちゃっていいでしょう。


 私は猛毒薬Rを二個分生成し、その全てをLまで昇華させました。

 昨日のうちにEにまで昇華させていた猛毒薬も合わせて格上げし、全ての黄金プディンに一つずつ投薬していきます。



――パパパパァアアアアンッ!



 戦闘開始からわずか三十秒ほどで決着がつきました。

 ……最速というわけではありませんが。


『レベルアップしました』

『レベルアップしました』


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名前:セツ     レベル:16(レベルアップまで88Exp)

職業:薬師(生産系)

HP:27/27

MP:36/36

攻撃:20

防御:24

素早さ:34

器用さ:40


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 ここまで来ても二つもレベルを上げてくれる黄金のプディンさん。

 プレイヤーに対して本当に優しすぎます!


 黄金の魔石十六個と金プディンの粘質水四個分を回収して、私は運命の時を待ちました。


 ……

 …………

 ………………

 ……………………


 あれ?

 出てこない……?

 ウソ……っ。


 無情にも塞がれていた茨のゲートは開通していて。

 もういくら待っても出てこないと頭ではわかっているのに、認めたくない自分がいて。


 私はしばらくの間、意味もなく天に願い続けていました。



 当然、結果は変わることなく……。


「ひぐっ、うぅ……っ」


 空しさから涙が押し寄せてきます。


 ……あと四回やればゲットできるんでしょうか?

 そもそも、今までは規則的に出てきていましたけど、次は四回目に出てくる保証なんてありません。

 それに四回目で出てくるとしても、それまでの黄プディン戦が問題です。

 想定される数は十一体。

 九体で苦戦を強いられているというのに十一体なんてとてもじゃないけど無理です。

 今まで通りの戦い方では……。


「……よ、四刀流だぁああああっ!」


 私はもう意地になっていました。

 先ほど手に入れた金プディンの粘質水を全て猛毒薬Rに変換します。

 そしてそれらを猛毒薬Lまで昇華しました。

 今の四体の黄金のプディン戦での戦い方を次からのバトルでも採用することを考えついたのです。

 金プディンの粘質水はもしかしたら使える時があるかもしれないから取っておこうと思っていたのですが、なりふり構っていられません。

 私はどうしても宝箱がほしかったのです。

 弱い薬師わたしはアイテムで補正しないとダメなのですから。

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