晋書列伝

晋書巻８５　桓玄打倒将たち

諸葛長民（しょかつちょうみん）は琅邪郡（ろうやぐん）陽都県（ようとけん）の人である。文武に才を示したが、素行の悪いこと甚だしく、親族よりは疎まれていた。桓玄（かんげん）が平西将軍（へいせいしょうぐん）となると、その軍事に携わるよう招聘したが、間もなくその素行ゆえに免職となった。

404年、劉裕（りゅうゆう）が桓玄打倒のクーデターを起こすとき、諸葛長民もともに計画に加わった。この頃の諸葛長民は揚武將軍（ようぶしょうぐん）であった。クーデターの功績から輔國將軍（ほこくしょうぐん）、宣城內史（せんじょうないし）となった。

逃亡する桓玄を守るため、桓玄の兄、桓歆（かんいん）が軍を編成、歴陽（れきよう）に進軍してきた。諸葛長民は桓歆を破り、敗走させた。また劉敬宣（りゅうけいせん）と共に追撃、芍陂（しゃくは）にて桓歆を倒した。この功から、新淦（しんきん）県公（けんこう）、食邑 2500 戸に封じられ、また督淮北（とくわいほく）諸軍事（しょぐんじ）として、山陽（さんよう）に拠点を構えることとなった。

410年、南燕（なんえん）軍が下邳（かひ）を荒らして回った。諸葛長民は部將の徐琰（じょえん）を派遣、南燕軍を撃退させた。この功績から使持節（しじせつ）、督青揚（とくせいよう）諸軍事（しょぐんじ）、青州刺史（せいしゅうしし）となり、晉陵太守（しんりょうたいしゅ）を兼務。拠点を丹徒（たんと）に移した。すなわち、京口（けいこう）周辺の軍の総取締役となった。

輔國將軍、新淦県公であることは以前のままだった。

諸葛長民，琅邪陽都人也。有文武榦用，然不持行檢，無鄉曲之譽。桓玄引為參軍平西軍事，尋以貪刻免。及劉裕建義，與之定謀，為揚武將軍。從裕討桓玄，以功拜輔國將軍、宣城內史。于時桓歆聚眾向歷陽，長民擊走之，又與劉敬宣破歆于芍陂，封新淦縣公，食邑二千五百戶，以本官督淮北諸軍事，鎮山陽。義熙初，慕容超寇下邳，長民遣部將徐琰擊走之，進位使持節、督青揚二州諸軍事、青州刺史，領晉陵太守，鎮丹徒，本號及公如故。

（晋書85-13）

新しいデイリー晋宋春秋のトップバッターは諸葛長民！　いや中原戦記とエピソード数のズレがやべえと思って調整かけようとしたらこうなっちゃったんですよ。持ってるなぁこいつ！

基本的にクソ野郎と書かれる諸葛長民ではありますが、「なんつっても劉裕に殺された人物だしなぁ……」と言う変数をかけて見ざるを得ないため、お前の記述どこまでまともに読んでいいの？　的なお気持ちは抱かずにおれません。縣公食邑二千五百戶ってやばいレベルですよマジで。