Infinite Freedom Online

かいさんたらこ

第1話

「はぁ?VRMMO をやらないかって?」


俺こと松永蓮は大学も4年生になり、ほぼ何もすることがなくなったある日、友人の如月優花にVRMMO をやることを持ちかけられた。


「そう。良いと思わない?」


「いやでも、俺金がねぇんだよ。」


そもそもVR機なんて一つ10万近くするじゃないか、と付け加えて言った。


「ふっふっふっ、そこは安心してくれ。」


「何か策でもあんのか?」


「実はね・・・私とあるゲームのβテスターでね、それの特典でVR機がもう一つ貰えたんだよ。」


「まじか。」


「だからね、それを君に授けようと思ってね。」


「いいのか?普通は家族の誰かにあげると思うけど?」


「私の家族ね・・・・誰もゲームやらないんだよ。」


「あぁ〜成程。」


「そう、だから君に貰って欲しいんだ。」


それなら貰うか。


「分かった。貰うけど、設定とかどうすんの?」


「それなら大丈夫。もうやってあるらしいから。」


はぇー最近のゲームは進んでるんだなぁ。


「そういえばどんなゲームのβテスターだったんだ?」


「Infinite Freedom Onlineっていうゲームだよ。」


Infinite Freedom Online・・・・確か開発に7年かかったゲームだったか?そして、事前予約だけで50万人を超えたとかでネットニュースで話題になっていたな。


「じゃあ、そのゲームが出来るんだな?」


「うん。そうだよ。」


「じゃあ・・・そのゲームの特徴ってなんなの?」


「特徴?まぁ・・・・色々あるけど、選べる種族が多いこと、後は職業の幅の多いかな。」


その他にもあるけどね。と付け加えて話した。


成程。それだったら飽きることもなくやり続けれるだろう。


「あ、あと他のゲームと違うところはキャラメイクした時に称号がランダムで一つ貰えるんだよ。」


「え?称号が?」


称号ってなんかを達成した時に貰えるやつじゃないの?


「何で称号が貰えんの?」


「確か、称号が一つも取れない人への配慮らしい。」


「へぇー、優しいな運営。」


「βテスターやってる時もそれは思った。」


「・・・・で、いつ届くの?」


「明日かな?」


「お前さては断ったとしても無理やり送ってたな。」


「ははは〜嫌だなぁ〜そんな訳無いじゃないか〜。」


・・・・まぁそういう事にしとくか。 


「それじゃ、明日を楽しみにしててね〜。」


「分かった。」


そう言って優花は帰って行った。


「俺も帰るか。」


明日に備えて早めに寝ねようかな?


そんな事を考えながら家に帰った。




















チュン チュン


「・・・今何時だ?」


壁にかけてある時計を見ると針は午前7時を指していた。


「早く寝た分、少し早く起きたな。」


まぁ、今日から2週間は何もないしな。いっぱい遊ぶとするか。





そこから飯を食べて歯を磨き、顔を洗い終わった直後にインターホンが鳴った。


ピンポーン ピンポーン


「はいはい、今行きまーす。」.





「VR機・・・・クッッソ重い。」


無事に受け取ることができたがあまりの重さに部屋まで持って行けなかった。


「少しづつ移動するか。」


30分かけてVR機を移動させた。



「ベット型かよ。じゃあ重いわけだ。」


しかもこれ買おうと思ったら30万は軽くいくだろうな。


「・・・・そんなことはどうでも良いか。早速行くとするか。」


ベットに横になった瞬間意識が段々なくなっていった。





「ここは・・・・?」


『はいはーい!こんにちはー!』


声が聞こえた方に体を向けた。


「君は・・・?」


『私?私はね、キャラメイクとチュートリアルの案内役のルル!覚えてね!』


「じゃあ、ルルさん早速キャラメイクの方をお願いします。」


『良いよー!それと、敬語じゃなくて大丈夫!』


「分かった。」


『最初は自分の名前を記入してね!』


これは・・・・レンで良いか。


『次は性別を決めてね!』


これは勿論男だな。


『それじゃ、次に自分のアバターを決めてね!』


アバターか・・・・


「どうしようかな?リアルの自分の顔に少し沿ってやるか。」


そこから10分ぐらいは目のパーツや口、鼻や身長などを調整した。


ふぅ。チャラメイクだけで疲れた。


『次に自分の種族を選んでね!』


優花は種族が多いと言っていたけどどれくらい多いんだ?


『それじゃこの中から選んでね!』


デン!という効果音がしそうな感じで目の前にホログラムの案内板みたいなものが浮かび上がってきた。


それを見て一言。


「多くね?」


人間族、鬼人族、獣人族、エルフ、ドワーフ・・・・少なくとも20種類はあった。


「まぁ、ここは無難に人間族にするか。」


『次は、職業を選んでね!』


職業は確か、後から複数習得出来るらしいから、ここは・・・"剣士"にするか。


『それじゃあ、最後に称号が付与されるよ!』


使えそうな効果だったら何でも良いかな。


そうして待っていると体が発光し始め、数秒経ったら発光は治った。


『称号が付与されたよ!確認してみてね!』


はてさて何が来たのやら。


メニューを開いて、付与された称号を確認してみた。


「何だこれ?【女神に溺愛されし者】っていう称号か。なんかヤバそうな雰囲気を感じるんだけど・・・・。」


一回詳細を見てみるか。


【女神に溺愛されし者】

Infinite Freedom Onlineの女神にとても愛されている称号。常時幸運状態Ⅴが付いており、とても幸運になる。世界各地の女神像に祈ると、その女神に会うことができる。


「う〜ん。痛みを感じない設定のはずなのに何故腹痛がするんだろうか・・・・?」


なんか胃がキリキリしてきた。


『確認はできたかな?それじゃ、行ってらしゃい!」


「いやちょっと待って!色々聞きたいことがあるんだけど・・・ねぇ!無視しないで!ちょっっと話を聞くだけで良いから!ねぇ!無視は酷くないか!ねぇ!無視すんなゴラァ!」


『はいはーい!チュートリアルに行くからね〜強制スリープで〜す!』


薄れゆく意識の中で俺は誓った。


"コイツに絶対仕返ししてやる!"


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