短文詰め合わせ

タマ三つあるから振り子にできる

一目惚れ

彼女を目にして、心の底からキレイだと思った。

どんな絶景すらも彼女が映ればただの背景に過ぎないと豪語できるほどだ。

友人に惚気話ばかり聞かされていたものだから、

恋でもうつってしまったのだと文系の彼らしい茶化し方をされた。

勇気を出し、言葉から会話へと繋げていく。

初めて話す彼女はまるで子犬のようで、

こだまする声のような御淑やかな人なのだという

僕の勝手な理想像を見事に打ち壊した。

しかし思いが冷めることはなく、

むしろ優しく絞めつけられる心におかしな温もりすら感じていた。

思わず目を瞑ってしまうほどの眩しい笑顔でおはようという君に、

もう何度目になるかもわからないおはようで返す。

気付けば緊張の糸などとうに切れていて、それでも赤い糸だけは切れないままでいる。

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