第12話 湖

 魔女の集合体が叫んでいる。マルメイソンはそちらに転がろうとしたが、こっちよ、と密やかな声に呼ばれて、そちらに引き寄せられてしまった。藪を抜けると湖が見える。ころりん、湖に落ちかけると、湖から手が伸びてくる。きらめく青い鱗の人魚だ。

 魔女なの? マルメイソンが聞くと、人魚はにっこり笑った。魔女ではないけれど、あぁいう手合いは好きではないの。助けてあげる。

 人魚達はマルメイソンを次々と受け渡して、対岸に送り届けてくれた。

 お礼を告げた目の前で、銀色の騎士がマルメイソンを受け取った。人魚達は悲鳴をあげて抗議したけれど、もうとっくに手遅れだった。

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