プレバト俳句(2023年10月19日放送)について

滝口アルファ

プレバト俳句(2023年10月19日放送)について

今回もプレバト俳句を楽しく拝見しました。

今回のお題は「渋谷スクランブル交差点」。

この長い題と何を取り合わせるかが、

キーポイントだったでしょう。


そんな中、気になったのが、

永世名人・千原ジュニアさんの俳句です。

それでは、その俳句を見てみましょう。


秋雨や渋谷の路地に鼠と吾(あ)


「吾(あ)」とは、我とか私という意味です。

夏井先生は、(句集に)掲載決定と評価されていましたが、

下5の「鼠と吾」が窮屈な感じがしますので、

私は、もう少し良くなるのでは?と思いました。

添削例を挙げてみます。


A 秋雨や渋谷の路地に鼠ひかる

B 渋谷の路地に鼠の光る秋の雨

C 渋谷路地鼠のひかる秋の雨


上記は、「吾」つまり一人称を使わない添削パターンです。

この俳句では、「鼠」に焦点を絞ったほうが、

場面がより鮮明になると考えました。

主人公を消すことで、都会で生活する孤独感が

一層きわだっていないでしょうか。


また、別の添削パターンも考えられるでしょう。


D この路地に鼠と俺と秋雨と

E 俺に似た鼠の光る秋の雨

F 秋雨の路地の鼠は俺だろう


上記は、お題の「渋谷スクランブル交差点」を使わない添削例です。

さらに、かつて「ジャックナイフ」と呼ばれた、

千原ジュニアさんにふさわしい一人称として、「俺」を使ってみました。

むろん、上記の添削例の場合、

渋谷のスクランブル交差点の雰囲気は、薄れるのですが、

「俺」が主役として活きてきますので、

俳句としてのクオリティーは高くなっていると思います。


ただ、ここまで、いろいろと添削例を挙げてきましたが、

結局のところ、正直なところ、

私は、

千原ジュニアさんの原作の俳句のほうが、

優れているのかもしれない、と思ったりもするのでした。


今回は、以上です。




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