第20話 紫炎の巨大竜
キョウカ達はとある山岳地帯に訪れていたのだが、正体不明の巨竜に襲われていた。
「ぎゃああああキョウカさんんんん助けてぇぇぇぇ!!」
「キョウカ!こっちもヤバい!ぁぁ…」
「くそっ…なんなんだよ!この竜は……」
―遡ること一日前
三十人越えの規模となった神聖ミカド組はあれから大した争いごともなく、平和な日々を過ごしていた。
そんなある日、一人の組員が飛び込んできた。
「姐さん、マーク町長からご相談が来てます」
この組員の名はハイル、元は盗賊団に所属していたが、組の傘下に入ってからは改心してルイスガルの治安維持に一役買ってる優秀な人物だ。
「ご苦労ハイル 通してくれ、私も直ぐに行く」
教会の応接室に通されたマークと会話を始める。
「それでマーク町長、今日はどういったご要件で?」
マークは深刻そうな顔をしていた。
「ええ…それがですね……昨日、港から例の物資がルイスガルに届くはずだったのですが、何故か行商人が来ないんですよ………盗賊に襲われたんじゃないかって心配で…なんとかなりませんか?」
港からの物資と言えば外大陸からの貿易品の事である。
ルイスガルに新しい食料や雑貨を取り入れようと貿易ルートを新規開拓をしたのだ、ちなみに神聖ミカド組が取り仕切っているシノギでもあるので何か不手際があれば大損害を被ることになる。
「わかりました、この件は我々が何とかしましょう、確か行商人はメラヴード山岳地帯を通ってくる予定でしたね、そこからあたってみます」
「何卒よろしくお願いします……」
早速、キョウカは組員全員を集めた。
「みんな大変だ、外大陸との貿易品を積んだ行商人が行方不明になったらしいんだ、なので私たち3人はこれから捜索の為にメラヴード山岳地帯に向かう、お前達にはその間ルイスガルのことを頼みたいんだ」
「任せてください、姐さん!!俺らがルイスガルをお守りしますっ!」
残りの組員に指令を告げると全員は、やる気満々といった様子だった、これなら心配は要らないだろう。
― 翌日
キョウカ達はメラヴード山岳地帯の付近まで来ていた。
「あ〜もう私疲れましたよ……ねぇキョウカさんまだですか〜?」
レガリアスは先程から歩きっぱなしな為、ダウン寸前だった。
「おい、情けないなエロ女神、ルシーラを見てみろ、疲れなど知らないって顔で歩いてるぞ」
ルシーラは表情ひとつ変えずにスタスタと山に向けて歩いていく。
「キョウカも中々スタミナがあると思う、汗ひとつかいてないし流石だね」
「はぁ…さすがですね、私はか弱い乙女なんでそんなスタミナは持ち合わせてないで……ひっ…」
悪態をつくレガリアスだったがその言葉が途中で切られた。
「おい、どうした……って…マジかよ……」
「え、どうしたの二人と…も」
思わず振り返ると、3人の背後には紫色の巨大な竜が佇んでいた。
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