第11話 帝都にて
同時刻、ウォーバルド帝国の帝都ではある動きがあった。
とある一室、大きな丸い机を取り囲むように無数の人間が座っている。
そこでは帝国議会の定例会議が行われていた。
議題はハードックについてのことであった。
「ルイスガルの一件は一体どうなってるんだ!上級貴族を一人殺されて、犯人はまだ分からずじまいだと!?」
会議を仕切るのはメルボーンという上級貴族だ。
奴は忌々しげに周りに向けて怒鳴り散らしている。
「メルボーン殿、それについてなのですが…密偵が怪しいと思われる人物を一人突き止めました。」
気弱なローブ姿の男がオドオドしながらもメルボーンに進言する。
「一体誰なのだ!?早く言わないか!」
「ルイスガルに突如現れたシスター・キョウカという幼い少女です…」
そう、密偵によってハードックの屋敷に入るところを目撃されてしまっていたのだ。
「シスターだと…?それは本当なのか…?」
「ええ、間違いありません、最後に屋敷に入ったのは奴です…」
それを聞くと、メルボーンは拳を握りしめ、思い切り机に叩きつけた。
「シスター・キョウカ…よくも我が帝国を愚弄してくれたな…報いは必ず受けさせてやる…!至急、黒騎士数名をルイスガルに送り込め、奴を捕縛しろ!」
新たな驚異はすぐそこまで迫っていた。
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