第19話
天井から奇襲してきて真之介に半身を切断された
「な、なんじゃ、こ、この者どもは」
同じ光景を見ていた
真之介と向き合う三人は膠着状態にあった。どちらも攻め手に欠けていた。
部屋の端からはひゅんひゅんという何かが空を切る音が聞こえ、ずるずるという這う音が聞こえてくる。
(このままでは押し切られる……)
(腕を折っても平然としている。
内臓に衝撃を与えた吹き飛ばしもほとんど効いていない。半身を斬り捨てても動く。しかし、頭を貫いたら動かない……)
「殿、刀をお貸しくだされ。」
そのまま構えを解かずにぎりぎりまで下がる。
受け取った刀を持ち、五尺ほど前方に移動する。そして片方の刀を畳に突き刺した。それを合図に双方が動いた。
風を切る音が真之介の後ろを通り過ぎた。
手を折っている者が真正面に、体当たりを受けた者が右にいる。もう一人は……。
(後ろか!)
その代わり全身の筋肉を使い手の折れた曲者との間合いを一瞬で詰めた。
二尺程の距離から渾身の突きを顔面に叩き込む。
一人に見えていた曲者は
(間に合わない!)
(毒針!)
針が振り下ろされるまえに刀は後頭部を捕らえ、貫いていた。しかし
「
「
「殿!
不敬も良いところだ。
しかし、そのようなことを考えている余裕はない。相手はあと二人。屋敷内にはまだ他にもいるかもしれない。そう考えると時間がもったいなかった。
「主ら、どこの
しかし何の反応もない。
二人は同時に動いた。
相手の刀を避けるためだ。
渦のような遠心力で曲者は吹き飛び頭部は半壊していた。真之介はそのまま、
びくっと身体が
「殿、
顔色は真っ青だ。
「すまぬ、
「何をおっしゃいますか。我々は若殿をお守りする砦でございます」
「
いつもは
二人はそのまま走り出そうとしたが突然、
「若殿、死なせてください!
私はもうお役に立てませぬ。
生き恥を晒すくらいならせめて夫のところへ」
大声で喚く
「
役に立たぬと自害するは早い。どうせ死ぬなら若殿の砦となって死なれよ」
「わかりました、武器は仕えなくともこの身を砦といたしましょう」
「お
左手には愛用の
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