第6話
「し・げ・ぞ・う・さん。二度と口にしてはいけませんよ。次はないですよ」
朗らかな口調だが、明らかに殺気というものが
「す、すみません。
そして、ひとつの空の筒を取り上げた。鼻をひくひくさせて中の匂いを嗅ぐ。それを
「
「これは……」
その中に塊となった紙らしきものがある。外はすでに真っ黒だ。
「あの、
そこへお
「話、聞きました。他の方は全員問題ないようです。こちらの方は……」
「多分、それだ」
それだけ言うと他に何か残っていないかを探し始めた。お
「
お
「
お
「どういうことでありんすか?」
お
「いや、
すでに火入れをひっくり返しておられるし。当然最初に疑って匂いを嗅がれたはずですから……」
「
お
しかし、拒まなかった。むしろ薄紅色の唇に吸い付いていく。
二人はしばらくの間、お互いの口で愛し合った。
どちらともなくそっと離れてゆく。二人の舌は二人の唾液で繋がっていた。
「お
お美津の顔は上気していた。頬は薄く染まり、畳の上に座り込んでいる。
必死に声を絞り出そうとしているようだ。
「あ、あの、
「お美っちゃん、今宵のお
お
「来てくれんすね」
やんわりとした微笑みがお
「……はい」
「じゃぁ、今夜、ね。
私は父様もところへ戻りんす。
そのまま立ち上がりぬるりと動き部屋の外に出て行く。あとにはぼぅっとなったお
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そしてお
寄合場へ歩く足取りは重い。
とにかく一度寄合いを開いてもらい、方針を決める必要があった。
「おやじさん、至急寄合いを開いてください」
寄合場へ着くとすぐに
おやじと呼ばれた男はじっと
吉原で一、二を争う
「どうしました、
出された茶を飲みもせず、
話の内容を最初はふんふんと聞いてたおやじと呼ばれた男も段々と事の重大性に気づいてきたようだった。
「
おやじと呼ばれた男はすぐに家中の
これで被害は最小限に抑えられる。
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