第2話 (トラブルガール)
朝は、起きるのが苦手だ。
小さい頃からそうだった。
よく、母さんが、下の階から大声で、僕の名前を叫んで、起こしたものだ。
「休みの日ぐらい。ゆっくり寝ててもいいよな。」
呟きながら寝返りを打つ、、、が。
手に何か柔らかな感触に温かい。
うっすらと寝ぼけ眼の目をゆっくり開けると。
「うわぁぁぁぁぁ!」
朝から外に響くぐらい僕の大絶叫が響いた。
そんな僕をよそに鼻歌を歌いながら、いつもの事だと、母さんは朝ごはんを調理し、父さんは、居間で新聞を広げてテレビのニュースを観ている。
池田家は相変わらずな平穏ーー?
「なんで、なんで、ここに、いるんだよ!」
布団をばっとめくって、その正体があらわになる。
キャミソールに短パンで、肌触りのいいハリのある太ももを露わにして、小さな女の子が静かに寝息を立てて寝ている。
茶髪に少し肩下あたりの髪がボサボサになっているが、この少女は見覚えがある。
「こっ、こはるが、なんで、ここにいるんだー!」
僕は、部屋の隅に行き襖に張り付きながら、困惑する。
すると、僕の声に目を覚ましたこはるはゆっくりと起き上がり右手を伸ばして背伸びをした。
ふわぁとあくびをして、片目を擦りながら、僕に視線を向ける。
「おはよう。誠一兄。」
ニッコと笑うこはる。
「どうなってるんだーーー‼︎」
バタバタと勢いよく、階段を降りて、居間に向かう。
そして、一階に降りると母さんに向けて。
「こっ、こはるが、なんでここに居るの⁉︎」
「朝から騒がしいわなぇ。そんなのこはるちゃんが、この春から誠一と同じ黒崎高校に通うから。
こはるちゃん家からだと、遠いからうちから通う事になったのよ。」
「そんなの聞いてないよ!」
「今、言った。」
ニカっと母さんは、あっけらかんと言う。
父さんは、何事も無かったように相変わらず、新聞を広げての通常運行。
すると、こはるが2階の階段から降りて来て、僕に抱き付く。
「こら!こはる。寝ぼけるのはいい加減に、、、」
「いいじゃない。こはるちゃんは誠一と従兄妹だし、仲良くしなさい。」
「分かってるけど、、、。」
情報が追いつかなくて混乱する。
すると、こはるは、僕の顔を見上げて、背を伸ばし、耳元で言った。
「誠一兄。私、美野あかねには負けないから。」
「はっ?」
こはるは、にっこりと微笑む。
「はーーーーーーーっ!?」
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