オタクな君に恋してる!

はる

第1話彼女の秘密




「捕まえた!」


日が沈みかけた頃。秋の日差しが窓から僕の部屋へ差し込み、赤く熱った彼女の顔を照らす。


彼女は僕を押し倒して、馬乗り状態になり右手で艶やかな長い黒髪を耳にかき上げて、そう呟いた。


絶体絶命だ!



「覚悟してね。誠一♡」







-----------


黒崎公立高等学校。

山と田んぼに囲まれた町外れの田舎町。

四季折々の自然が楽しめる場所だ。


生徒達は休み時間で、それぞれの時間を過ごす。


僕は池田誠一。黒髪で丸眼鏡に地味で目立たない、友達すらいない根暗な高校1年生。

そんな僕の密かな楽しみは推しのアニメ魔法少女みこりんのオタ活だ。


魔法少女みこりんというのは、ミコトという、勇敢で、正義感の強い金髪魔法美少女が悪に向かって、対抗する勧善懲悪物語である。


そして、さっき女友達と楽しそうに会話しながらすれ違って行った彼女は僕の幼馴染みで超絶美人の美野あかね。

清楚でお淑やか。頭も良く、運動神経も良い。誰もが憧れる女の子。


そんな完璧な美野あかねが持つ、僕だけが知っている秘密。


それは、、、



「ねぇ。」


彼女の真っ直ぐな視線に思わず、ごくりと唾を飲み込む。

自分の顔が堪らなく赤く火照り、熱いのが分かる。

どうにかこの状況を脱せねば!

彼女に触れようにも手汗で、触れるなんてとんでもない。


「いつまで、私を待たせるつもり?」


その言葉にドキリっと、心臓が飛び跳ねる。

なぜ、こんなに美しい魅力的な女性であるあかねが、幼馴染とはいえ、こんな陰キャオタクの僕に好意があるのか?謎過ぎる!



「もぅ、我慢できないよ。」


そう言って、カチカチに固まった僕の体に触れて、耳にそっと吐息をかけて、あかねは言った。


ゆっくりと僕の制服のシャツのボタンを一個づつ上から外していく。



そう。


彼女の秘密、、、

美野あかねは、清楚、清純、可憐と言われ、そう振る舞っているが、




本性は、とんでもなくケダモノだという事だ。














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