第22話 推しの事務所にアポイント

「ディメコネへのメールですが、これで大丈夫でしょうか?」


オレは課長に何度目かのメールチェックをお願いしていた


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株式会社ディメンションコネクト

広報部 ご担当者様


初めてメールさせていただいております。

突然のご連絡失礼致します。


夢味製菓の新井と申します。


この度は、貴社に所属されているVTuberの方とお仕事をご一緒できないかとお願いしたく、連絡させていただきました。


弊社では、今月よりVTuberのKanonをデビューさせまして、ただいまテレビCMにて弊社の製品を紹介しているところです。


こちらが参考URLですので、よろしければ、ご覧ください。


https://www.youtube.com/channel/yumemiseika_kanon


さて、貴社とのコラボレーションについてですが、弊社Kanonとのゲーム実況コラボを検討しております。


具体的な内容につきましては、ぜひ一度お会いして説明させていただきたいと思っております。


何卒ご検討のほど、宜しくお願い致します。

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「うん、うん

いいね!

これでいこう!」


課長がオレの肩越しにじっくり読み込んでOKを出す


「で、では、、いきます!」


オレは意を決して、送信ボタンを押す


「お、送りました

送っちゃいました」


「送っちゃったね、、

ど、ど、どうなるかな?」


「わ、わ、わかりません」


ディメコネ オタクの2人はいつも通りであった

まだ結果は出ていないが、ディメコネにコンタクトを取ったこと、そしてそれが非現実的なプランではないことで、興奮が隠せないのだ



「ゲーム実況って、マインクラフトで決まりなんですか?」


唯一、冷静な、のんちゃんが話しかけてくる


「いや、まだゲーム自体は確定じゃないよ

ただ、うちの企業イメージを崩さないゲームで、根強い人気があるものだと、マインクラフトは有力候補だと思ってる

あとは、あそび大全とかもありだけど、あれは配信者として場慣れしてからの方がリスナーとしては面白いような気もするんだよね」


そのあたりは、ディメコネとのコラボが決まったら相談していくことになると思う


「そっか

でも、あっくん、うちゲームとかあんましたことないよ?」


「そこは大丈夫だよ

そうやってデビューした人もたくさんいるし、ちょっとずつ慣れていけば大丈夫」


「うん、わかった

がんばる」


「オレも全力でサポートするから」


「うん、よろしくねっ」


のんちゃんは笑顔で返してくれた

緊張が少しはほぐれたようで良かった


「じゃあ、どのゲームだったら、どんなコラボ企画にするか、もう一度議論しようか

追加アイデアも大歓迎だよ」


「はい!」


「わかりました!」


オレとのんちゃんが答えて、結木課長と3人で打ち合わせを始める


この会議が無駄にならないことを強く強く願っていた



翌日、お昼休憩後


「課長!

ディメコネからメールきてます!!」


「ど、どどど、どうだった!?

なんて書いてある!?」


課長がガタンと立ち上がってバタバタと駆け寄ってきた


「まだ開いてません!」


「そ、そうだよね!

ご、ごくり」


「ひ、ひらきます

ごくり」


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夢味製菓株式会社

新井様


ディメンションコネクトの二宮と申します。


この度は弊社VTuberとのコラボ企画のご提案をいただきまして、誠にありがとうございます。


ただいま、弊社内で本件について検討させていただいているところです。


遅くとも1週間以内には結論をご連絡させていただきたいと思っております。


お待たせすることになり、大変申し訳ございませんが、ご承知おきのほど宜しくお願い致します。

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「ふ、ふー!

ま!まだわからないね!」


「そうですね!

ははは!

メール見るの怖すぎませんか!?」


「そ!そこは自信持っていこうよ!」


「そうですね!!」


今日もハイテンションであった


オレは返信のお礼をしつつ、お待ちしております、という旨を記載してメールを送信した



翌週の月曜日


「課長!」


「メールかい!?」


「はい!!

ひ、ひらきますね!」


「おっけー!」


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夢味製菓株式会社

新井様


お世話になっております。

ディメンションコネクトの二宮です。


この度、貴社とのコラボ企画について、弊社内で検討したところ、ぜひ前向きに検討させていただきたいということになりました。


まだ、コラボが確定したわけではございませんが、一度お会いしてコラボ企画について打ち合わせたいと考えております。


打ち合わせは弊社にお越しいただく形でもよろしいでしょうか?


また、ご都合の良いお日にちを教えていただければと存じます。


何卒、宜しくお願い致します。

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「こ、これは、、

ま、まだわからないけど、、」


「はい、、」


「一歩進んだよね?」


「はい、、」


「可能性が、、見えてきたよね?」


「は、はい!」


「新井くん!」


「課長!」


「新井くん!」


「課長!」


「2人ともうるさい

まだ、わかんないやん」


「はい、すみません、、」

「すみません、、」


オレは、のんちゃんに冷静にされたので、

冷静にディメコネとの打合せについて日程調整に取り組むことにした



しかし、その晩、さっそくひまちゃんにメールすることにした

だって!ウキウキしてるから!



ひまちゃん!

今日、ディメコネの広報の人からメールがきたよ!

うちとのコラボ前向きに考えてくれるって!


送信


まだかまだかと待っていると、すぐに返信がきた


ホントにー⁉️

すごい❗️すごい❗️

もしかしたら、ホントにコラボできちゃうかもねー(๑>◡<๑)

そしたら、お仕事でも会えるね❤️


うん!

まだわからないけど、そうなったらホントに嬉しいな!

来週、ディメコネの本社で打合せしてくるから、また報告するね!



そんな感じで、ひまちゃんとはメッセのやり取りをした


もし、このコラボが成立したら、ずっと推してるひまちゃんと仕事ができるかもしれない


オレは興奮したままベッドに入ったが、なかなか寝付くことはできなかった

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