その探偵、モノホンっぽい

九十九神 祐

第1話 異変、始動

「はあ、はあ、はぁ......しつこいんだよ!ずっと...おって来やがって!!!」

「だって仕方ないだろ?お前を捕まえろって言う依頼なんだから」

そう今俺は、依頼でこのずっと俺から逃げている男をおっている。なので逃がすわけには行かない。.....?俺がなんで依頼を受けてるかって?単純明快、探偵だからだ。それ以外にないやろ普通.....

今回俺こと日野山紅ひのやまこうは高校生ながら探偵業をやっている。なぜって?暇やからさ!俺には家族もいないし、友達もいない、幼馴染もいない、ずっと1人で生きてきた。誰の力も借りずに......その時に培った知識で探偵を趣味でやってみた。そしたら成功してしまった.......こんなの7割嘘やけどな。まあ暇だったから探偵をやっている。しかもいろんな知識が身につくからやってて楽しいと思う自分がいる。だからやめられない.....逆にやめたら生活がめっちゃ苦しくなるからやめられない........悲しいんだか悲しくないんだかわかんなくなってきた。まあ、今は依頼に集中しよう。

「......っおら!」

っといきなり振り返り男が拳を挙げてきた。俺はそれを軽々と避けて男を動けないように取り押さえた。

「お願いだから抵抗しないでよ?めんどくなるから」

「だーーーー!体が動か痛ェ!!!何すんだよ!痛えんだよぉ!!いてぇぇ!」

「動くからだろ?動くなゆうたろ?」

こいつ日本語わかんないやつなの?馬鹿なの?頭に脳みそ詰まってる?などと心配(?)していると警察が丁度到着したらしい。

「犯人確保の協力感謝する!」

と、中年の警察官がビシッ!っと敬礼してそのまま去っていった。......かっけーなーまじで...俺はその警官を勝手に見送ってそのまま探偵事務所に戻って行った。



_________________________



探偵事務所(自分の家)に着いた。そこには依頼者が俺の帰りを待っていた。

「捕まえましたか!?」

「捕まえましたよ。警察にもちゃんと渡しました」

「ありがとうございます!」

深々と依頼者は頭を下げた。ちなみにこの人の依頼は「ある事件の犯人を捕まえてほしい」だった。ある事件とは依頼者の知り合いが自殺して見つかったらしいが、依頼者は信じてなく俺に依頼してきた....ということらしい。いや、どうゆう事?他殺だってわかってたら俺いらないやん!まじ自分で解決しろよ!と思ったがこの依頼のおかげで俺は飲み食いできてるからこちらとしてはありがたい限りである。

「今回の依頼料はこれぐらいになります。必ず払ってください」

「わかりました。.....本当にありがとうございます!君に頼んで良かったと本当に思いました!本当にありがとうございます!」

「いえいえ、俺はただ依頼を遂行しただけですよ」

そんな風に謙遜して料金を受け取り、依頼者は笑顔で帰って行った。この仕事は本当にやりがいがある仕事だと思う。まあ、自分の意見だけど.....っと考えて壁にかかっている時計をちらっと見たら11時を過ぎていた。

「やべ!明日学校だから早く寝ねーと!」

高校生にとったら夜更かしは天敵。だから早く寝よう....単位は落としたくない....

俺はすぐに風呂に入り、着替えて就寝した。


_________________________


........おはよう!

........おう!おはよう!

........てかさー、昨日のドラマ見た?

........見た!まじで坂ヶ原さかがはらくんイケメンだった!

........まじでそれな!しかも神無月かんなずきちゃんも可愛かった!

.......それな〜

と朝からうるさい会話が聞こえてくる。朝起きてテレビをつけたら今の会話のことを言ってた。しかも俺が依頼を受けた事件のこともやっていた。が、俺の功績ではなくあの時来た警官の功績になっていた。俺はこのことに無関心なので気にしないが.......まじで気にしてないよ?ほんとだよ?

「はーい、みんな席に付けー、授業すんぞー」

と先生が入ってきた。みんながえ〜っと声を合わせて言っていたが無視して授業を始めやがった.....すげー神経してんだよなあの先生.....

この後はいつもの学校生活を送っていた。

<放課後>

やっと終わったー!この時が1番開放感があるぜー.....っとすぐに帰ろ〜っと

学校が終わり数十秒で支度し帰宅した。

まじで帰宅は早い自信がある。俺はいつもの帰路で帰ったが

「がァァァ!!!」

いつもの帰路では聞かない奇声を聞いてしまった。奇声がした方に駆け寄る。するとある光景を目撃してしまった.....

「........っ!」

そこには無惨に切り刻まれた人が倒れていた.....

なんでこんなのところで.....人が?周りを見てみる.....が、おかしいところしかない.......まず人がいた痕跡がない....元々いなかったかのように、そして、犯人の凶器がない......しかも、1番おかしいのがなんの凶器か分からないことだ。普通は切り刻まれてたらなんの刃物で切り刻まれてるかわかるもんだ。けど、この死体はどの刃物でもつかない綺麗な切り傷なのだ。そして、

「血が......ない.....」

そう、この死体には、と言うかこの現場には血痕が一切ない。現場がここではないように......

俺はとりあえず警察に電話して.....そして......

「この怪奇現象はなんなんだ?」

と1人ブツブツと呟いていた.......

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