ラスボスヤンデレ聖女(仮)に転生。周りの執着、溺愛が凄すぎて世界滅亡の危機です!

日月ゆの

第1話 「ゲームスタート?1」


 「数代おきに婚姻し子を授かる」というしきたりがあると聞いた時に、「ゲームとか小説みたいだな」と、思ったんだ。

 でもね、色々お話をお父様とか専属の従者から説明されて。

 えーと、クレイドル家は1人か2人と授かれる子供が少ない。けれど、王家との相性が良くて子供が必ず2人も授かれる、とかを教えてもらったの。


 だから、それなりの理由があるってことで納得したんだ。

 ちなみにお父様は「しきたりは破るためにある」って絵本で見た魔王さまみたいな恐いお顔で言ってた。けど、それって難しいよね。

 専属の従者も「しきたりを守る意味ってなんですか?」ってすごく難しい哲学的なこと言い出したりしてたけどさ。


 「色無し」の僕みたいのと結婚してくれるのだけでもありがたいよね。

 ちょっと「育成ゲーム」の設定なの?とほんのり思ったけどね。


 残念だけど、この世界の基準だと僕ってダメダメなんだって。


 色の濃い髪色や瞳が良いとされる世界で僕は白髪にピンクの瞳。

 ぼんやりした色の組み合わせ。

 僕としては白髪とか異世界転生っぽくて、すごく気に入っているんだけど。

 ピンクの瞳とか僕お気に入りのベリー味キャンディみたいで美味しそうだしさ。

 でも、どうしてもこの世界の人には受け入れづらいみたいで。


 ピコンッ!


 あ、現実逃避していたのに、まだコレ消えてなかった。


 僕の目の前には、青白い枠の半透明ウインドウ。

『清く正しく美しいヤンデレを目指せ!』とで書いてある。


 僕、すっごいびっくりしたんだよ。

 だって、久しぶりに日本語見たのに、漢字もカタカナも読めちゃうなんて義務教育すごいなーって。

 義務教育をちゃんと受けた僕は、清く正しく美しくの意味はわかるんだけど、この『ヤンデレ』って何?

 ヤンデレって何かわかんないんだけど、デレって付くからツンデレみたいなモノなのかな。


 ピコン!


 あ、ウインドウって触ったら、手に透けちゃうんだぁ! すごーい! 手に青白い色が透けてキレイ。

 ふふっ、ゲームみたいっ!! 透けたまま、テーブルのお菓子にも触れちゃう!


『Lv1step1  「この手を離さないで」と手を握りながら、婚約者に言ってみよう!』


 ん? 文字が変わっている。

 ええ? ま、まさかこれを婚約者のあの子に言うの?


 ちょ、ちょっと、それは難しいかも……。

 だってあの子にだよ??

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