第7話 新妻誕生?!

☆(夏川康太)サイド☆


あんなゴミクズの相手をしなければ良かったんだな。

付き合ったせいで風邪をひくとは情けないとしか言いようがない。

思いながら俺はベッドで寝込む。

それから俺は熱い為にクラクラする頭を何とか正常に戻しながら天井を見上げる。


アイツが浮気したのなら俺も浮気しても良い様な気がするが。

そんな事はしきらないだろうな。

その様な根性はない。

アイツが浮気したのに俺までクズにはなりたくはない。

考えながら俺はゴホゴホと咳をしながら天井を見上げていると.....スマホにメッセージが入った。


「誰だよ.....時間遅いのに」


呟きながら俺はスマホの画面を広げる。

すると衝撃的な文章が目に入った。

それはアイツ。

つまり糸魚川が俺の家の近くに居るという。

何をしているんだ。


(住所を教えろ。今直ぐに)


そんな事が書かれている。

俺は「お前に迷惑をかけたくない」と打ちたかったが。

目の前がまるで波でもやってきたかの様に高熱で歪んでいる。

なので仕方がないので「すまん。3丁目だ」と打たざるをえなかった。

すると(分かった。.....つーか大丈夫か)とメッセージが来た。


(大丈夫だ。少なくとも死んでない)

(そうか。なら良いんだが.....とにかく心配だ)

(何をしに来たんだ)

(か、看病とかじゃないからな!!!!!用事があったからお前の家に行く!!!!!)


(100円を返しにな!)という言葉が書かれる。

あいも変わらずのツンデレだな。

俺はそんなジョークを見ながらそのままスマホを投げ捨てる。

そして寝込んでいるとそのまま寝てしまった様だ。

高熱のせいで。



夢を見た。

それは亡くなった女の子の夢だ。

「久しぶりだねぇ。元気?」という感じで聞いてくる女の子。

俺は顔が見えない姿の彼女に「ああ。生きているからな」と答える。

すると彼女は「そっか。うんうん。それは良かった。でもまだこっち来ちゃ駄目だよ?さあ戻って」と言われた。

そして目を開けてガバッと起き上がる。


「うわ!?ビックリした!?」


そんな声がした。

横を見ると.....オボンにお粥を持っている横に髪を結んでいる糸魚川が居た。

何をしているんだコイツは!?

住宅に侵入しているじゃないか!?


「お前な。不法侵入.....」

「あ?!テメェそんな事言っている場合か!確かに鍵が掛かっておらず入ったのはかなりマズイって思ったけど.....でも今はそんな事よりも。熱があるなら寝とけ!」

「.....それは何だ?糸魚川」

「あ?これか?これはアタシが作った。.....鮭のお粥な」

「.....お前。看病していたのか?」


「そうだな。お前は全く」

そう言いながら糸魚川は眉を顰める。

俺はその言葉に「すまん」と言う。

「お前本当に高熱だぞ。病院に行かなくて良いのか」と言ってくる糸魚川。


「.....病院を信頼してないからな」

「そんな事を言っている場合か。お前な。.....体調が悪いんだろ?インフルだったらどうするんだ」

「これはインフルじゃないから大丈夫だ。.....それより100円を返しに来たってそれでここまでするのか」

「借りは借りだからな。返さないといけない」


お粥を学習机に置きながら俺を見る糸魚川。

心配げな感じをしている。

俺はその姿に横を見る。

そこに濡れたタオルがあった。

俺はそれを拾う。


「すまないけど勝手に暑そうだったし上半身を脱がせたぞ。熱測るのに」

「.....成程な。すまない」

「.....その。お、お前って腹筋が結構割れているのな。帰宅部の癖にビックリしたけど」

「ああ。筋トレも趣味の一環だからな」


「そ、そうか」と返事をしながら学習椅子に座る糸魚川。

俺はその姿を見ながら「もう良いぞ。帰ってもらっても。100円分は働いたろ」と言うが糸魚川は首を振った。

それから俺をジッと見てくる。


「お前、家族は?」

「家族は忙しいんだ。それで俺だけだ」

「.....そうか。なら一晩泊まるわ」

「.....は?」

「その様な状態のお前を置いて帰れるか。後味悪いし胸糞悪い」

「.....いや。仮にもお前は女子だぞ。.....それは.....」


「親御さんが許すかそれを」

そう呟きながら俺は糸魚川を見た。

だが糸魚川は「それは心配要らねえ。許可の電話したしな」と答える。

俺はまさかの事に赤くなってしまう。


「し、しかし.....」

「い、良いから寝ろ。食って寝ろ」

「.....お前な。こんな事をして恥ずかしくないのか」

「は!?恥ずかしいにきまっt.....違う!!!!!違うからな!!!!!」

「何だよ!?どっちだ!?」


そうして絶叫するとゴホゴホと咳が出た。

糸魚川は「言わんこっちゃない」と俺にキスの様に近づいて来る.....は!?

何をしている!


俺はまさかの行動に真っ赤になってから後退りする。

追いかけて来る糸魚川。

同じ様に真っ赤になっている。


「お前な!熱が測れねぇだろ!」

「あ、そういう事か.....」

「お、お前!?何を想像している!?アタシがビッチとでも言いたいのか!?」

「は.....?お前は誰これ構わず付き合っていたんじゃ.....」

「馬鹿野郎かお前は!完全な処女だっつーの!!!!!誰とも付き合った事ねぇしな!ヤってすらねーよ!!!!!」

「そこまで聞いてねぇ!?っていうか誰とも付き合った事ねぇのかよ!」


しかしコイツマジにエッチだな!

すると「な、何だ。そうかよ」そう言いながら俺の額に自らの額をくっ付けてから「ふむ。熱は下がったっぽいな」と言う糸魚川。

コイツマジに鈍感な部分があるよな.....。

こんな真似をすると色々と見える!

胸の谷間とか見えるしな!

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