第5話 狂う思想
☆(田中萌葉)サイド☆
何かがおかしい気がする。
私自身は悪い事を何もしてないのに何故か康太が冷たい。
私は糸魚川とかいうのにいきなり絡まれた。
今日は何だか不幸な日だなって思う。
それから私は歩いてボチボチ買い物から帰っていると.....目の前の駅の方角。
そこで糸魚川と一緒に何故か康太が居た。
「何で」というのが素直な感想だった。
私は考えながらその場から踵を返して帰っている康太の背中に声をかける。
「ねえ康太」と言いながらだが。
ビクッとするその背中。
「.....お前.....萌葉!?」
「康太。私の事.....どう思ってる?」
「どう思っているって言っても.....愛しているよ」
「そんな言葉が聞きたい訳じゃないよ。そんな嘘っぱちの様な。.....何で?糸魚川の方が気に入っているの?」
「.....」
真剣な顔をする私。
すると不愉快そうな顔をしながら私を見てくる康太。
私は「!?」と思いながら睨む様な感じになった康太を見てくる。
そして康太はこう切り出してきた。
「お前は浮気してないか?」とであるが。
「浮気?しているよ?それが?」
「それが.....って.....お前は異常だぞ。何だそれは」
「私は異常だって思わない。だって貴方も彼もきちんとわけまえて愛しているから。何だ。悩んでいるって思ったらその事だったんだ。.....私は確かにNTRをされた様に見える。でも私は貴方の事もちゃんと愛しているから。だからこれからも仲良くして?」
「.....」
すると康太は「良い加減にしろ。世の中そんな上手くいく訳ないだろう」と切り出してきた。
「私は上手くいくって思っているよ?」と答えるが康太は「馬鹿かお前は!穢らわしい」と話してきた。
私はその目を真っ直ぐに見据えた。
それからしっかり話す。
「何でそんな事を言うの?二股ぐらい犯罪にならないって。大丈夫だよ康太。貴方は私のものだから」
「お前は馬鹿か!?本当にアホか!?.....お前とは別れる」
「別れないよ?.....あ。分かった。糸魚川に何か吹き込まれたんでしょ?もしかして」
「.....萌葉。何でそんな事になったんだ.....違うって言っているじゃないか」
「じゃあ何で?ねえ」
私は必死に詰め寄った。
それから見上げる。
すると康太は私を突き飛ばした。
そして「お前とは二度と話したくない。お前は呪われている」と言ってきた。
「意味が分からない」と思っていると雨が降り出してきた。
「何で!ねえ!康太!!!!!」
「お前な!やっている事が異常なんだよ!お前は!気が付けよ!」
「絶対に糸魚川のせいだね。.....私アイツ許さない」
「糸魚川は何も悪くない!全ての原因はお前だ!」
私達の怒号が近所中に響き渡る。
だけど今はそんな事はお構いなしだな。
それよりも大変な事態だ。
私は康太が別れるというその意志が分からない。
何で私を捨てるの。
そんなに悪い事なの?NTRって。
私は愛しているんだよ?貴方を.....。
「私は絶対に貴方を諦めないから。絶対に」
「雨が降り出してきた。帰る」
「.....ねえ。そうやって逃げるの?」
「逃げるんじゃない。お前とはもう話が通じないから切り上げる」
「そんなに悪いの?私」
「悪すぎる。悪女だ」
何でそんな事を言うのか。
全く分からないが.....繋がった。
(これは全部糸魚川のせいだな)っていう感じだ。
私は帰って行くその背中を見ながら.....糸魚川に復讐する事にした。
そう思っていると「言っておくが」と声がした。
「.....糸魚川に仮に手を出したら殺すからな」
「そこまで愛しているの?糸魚川を?.....ふーん。ますます嫉妬しちゃうな」
「いや。お前。お前に必要なのは反省だからな」
「何で私が反省しないといけないの?」
ビショビショになってきた。
このままでは風邪を引いてしまう。
思いながら私は踵を返して去って行った康太の背中を見ながら糸魚川と康太の仲を破壊する方法を考え始めた。
糸魚川は明確なる敵だと思えた。
私はあくまで全然悪くないと思う。
愛しているのだから。
分配した愛を持っているのだから。
だから絶対に私が悪い事は考えられない。
「待っていてね。康太。私は.....貴方を取り返してみせる。貴方という大切な人を取り返してみせる」
その一心で私はそのままびしょ濡れのまま帰宅した。
それから私は全てを脱ぎ払ってからシャワーを浴びた。
このままでは絶対に駄目だ。
糸魚川に絶対に復讐しなければならない。
康太は私のものである。
誰にも絶対に譲らない。
私は康太を舐め回して愛して.....全部愛したい。
絶対に渡したくない。
そしてもう一人の彼氏の悠平も。
付き合っている悠平も私のものでありこの世の全ては私のものなの。
死んでも愛しているのだから.....。
分かってくれるでしょ?これだけ愛しているんだから.....絶対に渡してなるものか。
許さないものには絶対に蓋をしなくてはならない。
私は糸魚川の野郎は絶対に社会的に消してやる。
邪魔なのだ。
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