(カクヨムコン9応募)他学校に通っている幼馴染が付き合っている彼氏の俺を裏切った。すると何故か横の席のギャルがキレたのだが
アキノリ@pokkey11.1
第一章 曇天から快晴へ
亡くなった光
第1話 太陽が陰る時
☆(夏川康太)サイド☆
高校2年生になった俺の名前は夏川康太(なつかわこうた)。
17歳になったそこら辺のどこにでも居る冴えない凡人男子高校生。
髪型は短い黒髪にイケメン(幼馴染曰く)。
だがまあかつては.....ってまあこれは言わなくて良いか。
そんな俺だが横に居る同級生の金髪ギャルをたまに観察している。
別に恋をして気になっているとかいう訳ではない。
彼女は屋上から飛び降りようとした自殺未遂を起こした。
俺が偶然それを必死に止めたので悪い方向に傾かなかった。
それで俺自身が過保護になっているだけだろう。
地毛では無いと思われる髪の毛を金髪に染めている不良のギャル。
糸魚川モナ(いといがわもな)。
そんな糸魚川の顔立ちに関してはメイク?とかはしてないと思うがそれなのにとにかく凄い美少女である。
メチャクチャに目つきが鋭いが。
凛とした感じの厳つい顔つきの八頭身の美少女と表現して良いと思う。
つまりモデルの様な感じだ。
俺の付き合っている幼馴染の田中萌葉(たなかもえは)も相当な美少女だと思う。
それに比べると正反対だが糸魚川はキリッとした美少女と言える。
本当に粗暴ぶりを除けば彼女はまさにモテそうな気がする。
それもメチャクチャにだが。
俺は考えながら観察を続けているといきなり糸魚川がガルルと言い出した。
それから目の前のオタクを見る。
「あ?何見てんだコラ」
赤くなって見ていた太っちょオタクのクラスメイトはその重圧に「ヒィ!」とか言いながら青ざめて立ち退く。
こんな感じで色々と周りのクラスメイトに毎度の如く無愛想に威嚇する行為をするので金髪の一匹狼と呼ばれている。
だけど俺は彼女の本性を知っている。
まあ何というか。
糸魚川は友達を作るのが究極に下手クソなだけだ。
何故そう思えるのかと言えば自殺未遂をやってから俺に糸魚川は全て話したのだ。
当然だが俺も当初は糸魚川の事が苦手だった。
そしてメチャクチャに怖かった。
でも糸魚川の本性を知ってから俺はこうしてたまに観察している。
因みに糸魚川には周りにこの事を「自殺から助けられたなんて事がマジに情けなく思えるから周りにこれを伝えるな」と脅されているので話したりはしない。
ただ.....母親の様に見守っている感じだ。
するとそんな糸魚川がビクッとしながら俺を見てきた。
モジモジしながら反応する。
「あ?な、なんだ。お、お前も何を見ているんだ」
「ああ。すまない。そういうつもりはなかったんだ」
「み、見るな。変態」
「いやいや。変態ってお前な」
糸魚川はカァッと赤くなりながらそっぽを向く。
俺はその姿に今でも「?」を浮かべている。
何故か分からないのである。
こうして俺が見ると彼女が赤くなる事が、であるが。
ちょっとばかり意味不明である。
「糸魚川。そういうつもりで見ていたんじゃないからな」
「は、はぁ?.....んならどういうつもりだ?まさかマジにアタシを狙う変態か?」
「あのな。全てを変態に結びつけるな」
「お、お前の視線は気持ちが悪いんだよ。や、やめてくれ」
「いや.....ボロクソだな」
「確かにお前を見ていたのは悪かった。だけどそれだけだ。そこまで言うか?」と苦笑いを浮かべた。
それから糸魚川を見る。
その言葉に「あ、う」と言いながら糸魚川は「き、気持ち悪い。み、見るなよ」とそっぽを向いて反応した。
そしてカァッとまた耳まで赤くなる。
俺はその姿を見ながら苦笑いをまた浮かべながら「からかいようがあるな」と考えながら糸魚川を見る。
「.....あ」
そういやなんかさっき萌葉からメッセージが来ていたな。
思いながら俺はスマホを開く。
それから萌葉からのメッセージを開こうとした。
するとその前のメッセージに別クラスの知り合いの竹下傑(たけしたすぐる)から(緊急)という名前でメッセージが来ていた。
俺は「?」を浮かべて先にそっちから開いてみる。
(夏川。これ聞いているか?バッドニュースだ。お前の.....彼女の萌葉さんは浮気している可能性があるんだが)
何か「え?」と身体中から血の気が引いた。
その様に書かれており添付ファイルに何か写真が添えられている。
それは盗撮されたと思える写真だ。
萌葉と見知らぬ男が腕を組んで歩いていた。
それも楽しそうに外出着で何かデートの様な事をしている。
まさか.....そんな馬鹿な!?
(隣の奴は誰だ?康太。偶然遭遇したから.....)
(知らないし分からない.....)
(何というかこの後.....セックスとは言わないけど陰ながらキスもしていた)
(マジか.....)
俺は愕然としながら額に手を添える。
他の学校に萌葉が行ったのはまさかこの為か。
考えながら俺はスマホの画面を唇を噛んで見ていると横の糸魚川が「ど、どうしたお前」とか聞いてきた。
今は答える気にならない。
「.....すまない。ちょっと体調が優れなくてな」
「な、なんだ。体調悪いのか?じゃあアタシが今から保健室に連れてってやろうか」
「そこまでしてくれるのはありがたい。だけど大丈夫だ」
糸魚川は「???」を浮かべて心配そうな顔で俺を見た。
そんな顔に曖昧に返事をしつつフラフラしながら椅子から立ち上がった。
そして俺は額に手を添えながらトイレに向かう。
そうしてから個室で便座に腰掛けショックで号泣してしまった。
愛していたのに「何故こんな真似を」と呟きながらだ。
それから時間は経ちあっという間に放課後になった。
正直授業内容が入って来なかった。
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