力づくで、私を自分のモノにしようよするこの男から私を誰か助けて!

神石水亞宮類

第1話 力づくで、私を自分のモノにしようよするこの男から私を誰か助けて!




“私を誰か助けて!”

私を力づくで、自分のモノにしようよする男が私の目の前に現れたわ!

気がつけば? 私の傍には常にこの男が私を監視しているの。



『“なんで?”』

『えぇ!?』

『“なんで! お前は俺のモノにならないんだ?”』

『“人の心は力でねじ伏せて自分のモノに出来る訳じゃないの!”』

『出来るさ! 絶対にお前を俺のモノしてみせる!』

『そういう考え方を改めない限り、私は貴方を好きにはならないわ!』

『どうかな? 時間の問題だと思うがな。』

『それって、どういう事よ!』

『お前は直ぐに俺のモノになるから! 心配するな!』

『・・・・・・』




私は自分にやたらと自信のあるこの男に狙われている!

今考えると? 私が最近働きだしたバイト先で、この男が先に居たの。

私より半年前に入って来たらしいわ。

ただ、何度も問題事を起こしているとも店長から聞いていた。


“コイツと関わるな”と、、、。


でも? 私がこの男が少し落ち込んでいる時に話しかけたせいで、

次の日からしつこく私はこの男に付き纏われる!

そこから私は強引にこの男に誘われ、自分のモノにならないならお前を

殺してもいいんだぞと脅迫までされていたのよ!

かなり怖い状況まできていたのだが、、、。

“他の奴に言えば、俺はどんな手を使ってもお前を俺のモノにする”と

脅かされて、私は誰にも言えないでいたの。




『浄美? なんかあった?』

『えぇ!?』

『“元気ないみたいだし。”』

『・・・ううん、大丈夫だよ!』

『そう、何かあったら? いつでも言ってよね! ワタシ達友達でしょ!』

『・・・うん、』




・・・嬉しい親友の言葉も、私は甘えられないでいた。

あの男が“親友”に何をするか分からないし、“いつも一番最悪な状況”を

想定している為、私は慎重に言葉を選んで話すしかなかったの!




『“最近、浄美! 痩せたんじゃない?”』

『えぇ!? そ、そうかな、』

『“アンタ! 無理なダイエットとかしてないでしょうね! そんな太って

ないんだし、ダイエットなんて、”』

『ママ! 私、ダイエットなんてしてないよ!』

『そうならいいけど、ちゃんと一人でもご飯食べなさいよ!』

『・・・ううん、』



きっと誰も私の事なんか気にもしていない!

“このまま私はこの男のモノになるのかな?”

そんなの絶対に嫌よ! なんで私があんな男のモノにならくちゃいけないの!




・・・でも? 誰か私を助けて!


 




 *







・・・数ヶ月後。

“私の白馬の王子様が私の前に現れた!”

ひょろっと細くて背の高い、気弱な白馬の王子様。



『仙道クン? 今、浄美さんに何してたの?』

『“はぁ!? お前には関係ねーだろうが!”』

『そんな言葉遣いよくないよ!』

『お前、俺に殴られたいのか?』

『“暴力もよくないな! 話し合いで決着をつけようよ!”』

『なんだお前! 俺に喧嘩売ってんのか?』

『もうやめて、仙道クン! 西三クンが怖がってるじゃない!』

『浄美は黙ってろ! 俺のやる事にいちいち口挟むな!』

『“仙道クン! 浄美さんに謝ってくれないか?”』

『はぁ!? なんなんだよお前、、、!』

『“浄美さんは仙道クンのモノじゃないよ、ちゃんと浄美さんに謝って!”』

『黙れ! 俺に指図するな!』

『じゃあーもう浄美さんに関わらないでやって!』

『なんでお前にそんな事、言われなくちゃいけないんだよ!』

『“浄美さんの気持ちが分からないの?”』

『浄美の気持ちだと、、、?』

『“ずっと仙道クンの事、怖がってるよ! 体がずっと震えてるじゃないか!”』

『まさか、そんな事ないよな、浄美!』

『“もう耐えられない!”』

『・・・き、浄美、』

『私も西三クンと同じ考えだよ! “私は仙道クンのモノじゃない!”

いつも言ってるよね?』

『えぇ!? そうなの、いつもこんな事されてたんだね、』

『・・・う、うん、』

『“俺のモノを俺がどうしようが勝手だろうが!”』

『警察呼ぶよ、なんなら? 弁護士も呼ぶから!』

『はぁ!? 呼んでみろよ!』

『分かった!』


【プルルルル~プルルルル~プルルルル~】


『“はい! ○○弁護士事務所です!”』

『西三です、実は助けたい女性が居まして、今現在、彼女はある男に

被害を受けていて、どうしたらいいですか先生?』

『“今、何処に居ますか? そこに今から行きます!”』

『ありがとうございます、ココは○○町の○○番地です、近くに○○の

コンビニが斜め前に見えます。』

『分かりました、急いでそこに行きますね。』 

『・・・い、いや? 先生! どうやら来なくてよくなりました。』

『どうしましたか?』

『“その男が僕と先生のやり取りを聞いていて、逃げて行ったんです。”』

『そうですか、また何かあったらいつでも連絡してきてください!』

『ありがとうございます、また連絡します。』




・・・結局! “力でねじ伏せようとするあの男よりも知識の高い

彼が上手だったようだ!”



でも? “その彼とは付き合ってはいない!”

ただ私を助けてくれただけだった。

それでも、“私を助けてくれた白馬の王子様には違いない!”

全て彼のおかげで、私はまたいつもの日常生活を送る事が出来ている。


“ありがとう、私の白馬の王子様。”

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