第164話
シュバルツはアスタロトが必ず守る場所があることに気がついた。
「父様。隙を作れますか?」
「何とかやってみよう」
シュタイナーから物凄い魔力が溢れだす。
その魔力は剣に集まっていき、アスタロトに向かっていった。
「ぐぬぬ。人にしては物凄い物だ。だが・・・」
シュバルツは狙いを定め剣喰らいの聖剣でアスタロトを貫いた。
「ぐふ。小僧・・・。よくもやってくれたな!」
アスタロトは体が崩れはじめる。
どうやら無事、急所を攻めることが出来たようだ。
「私は諦めぬ。諦めぬぞ」
アスタロトに禍々しい魔力が集まっていく。
ゆらゆら揺れて不安定な魔力は臨界点を超えて爆発を起こした。
シュバルツとシュタイナーはそれに巻き込まれる。
シュタイナーが声をかけてくる。
「シュバルツ無事か?」
「なんとか・・・。ですが・・・」
「どうした?」
シュバルツはアスタロトが爆発と同時に逃げたことを察知していた。
「あの化け物を取り逃がしました・・・」
「それは仕方のないことだろう。お前が無事でよかった」
「とりあえず被害を確認しましょう」
アスタロトの爆発に巻き込まれたのはシュバルツとシュタイナーだけではない。
応援に来た教会関係者も巻き込まれていた。
身動きの取れなかった教会関係者は怪我をしている者も多い。
シュバルツは無詠唱で回復魔法を使い治療をする。
「ふぅ・・・。とりあえずはこれで大丈夫でしょう」
城にも爆発で被害が出ているがそれはお金で解決できる。
「お爺様にも報告しないと・・・」
「そうだな」
そう思ったら祖父であるオグワールが駆けつけた。
「シュバルツ。シュタイナー。無事か?」
「お爺様。はい。僕達は無事です」
「父上。急ぎ話し合わなければならないことができました」
「うむ。それは私の部屋で聞こう」
場所をオグワールの書斎に移し、今回の報告をした。
「うむ。重大事件だな。お前達は疲れているだろう。事後処理は私の方でしておこう」
「ありがとうございます」
シュバルツは自分の部屋に戻ってきた。
部屋の中には心配そうにしているパーティーメンバーの面々がいた。
今回の件は危険だと思ってパーティーメンバーには待機するように指示を出していた。
「シュバルツ様。無事に戻ってきて何よりでした」
「心配かけてごめんね。確認したいことがあるから修行部屋に行こうか」
「わかりました」
シュバルツはパーティーメンバーと共に修行部屋へと移動した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます