第85話
女性陣の作業が終わったところで一度、通常空間に戻ってきた。
明日も迷宮に潜る予定でいるので解散する。
ミミとシズノは相変わらずシュバルツを抱き枕にして眠っている。
最初は戸惑ったものだが慣れてくると2人の体温が心地よい。
翌朝、すっきりとした目覚めを迎え朝食を食べ、迷宮へと向かう。
迷宮に向かうのもすっかり馴染んだ感じがする。
混雑する入り口を避け、奥へと向かう。
シュバルツ達ぐらいのランクでは泊まりがけで迷宮に挑む人は少なく何かあってもすぐ脱出できる入り口近辺が人気だ。
不足の事態が起きた場合でも他の冒険者に助けてもらえることもある。
助けられた場合はお金を払う必要があるが命が助かるなら安いものだろう。
たまに、トラブルになることもあるようだがシュバルツ達には関係のない話だ。
シュバルツ達は効率よく魔物部屋をまわって魔物を退治していく。
ちなみに蝙蝠の魔物であるコバットは食用として人気があったりする。
日本では馴染みのないことではあるが地域によっては蝙蝠は高級食材だったりするのだ。
疲れたら安全地帯で異空間に入り休憩をする。
食材も余るほど確保しているため食事の心配をすることもない。
十分休んだら、再び迷宮を探索する。
アイテムボックスやマジックバックがいっぱいになったらボスのホブゴブリンを倒して帰還する。
冒険者組合への道を歩きながらシュバルツは考える。
そろそろアイテムボックスのランクを上げるべきだろうか?
そうすればもっと効率よく迷宮探索をすることが出来る。
だが、他の区画もランクアップしたり解放したりもしたいのだ。
その為には恩恵ポイントがいくらあっても足りない。
「シュバルツ様。どうかしましたか?」
「あぁ・・・。うん。アイテムボックスのランクを上げるか悩んでてね」
「なるほど。確かにそれは悩ましいですね」
仲間である3人には恩恵ポイントで出来ることをある程度説明はしてある。
冒険者として実績を作るには一度に持ち帰れるアイテムの数というのは重要になってくる。
「シュバルツ様。マジックバックを追加することはできないでしょうか?」
「ん~。どうなんだろう・・・」
「お館様に相談してみてはどうでしょう?」
「そうだね。一度お爺様に相談してみようか」
アイテムボックスのランクを上げるかどうかは一度保留ということになった。
シュバルツ達は色々な話をしながら冒険者組合の中に入っていった。
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