きたみこ!
シャカシャカ
第1話 ミコが来た!
No.00001
2025年4月5日(土)
場所 北海道北見市の北見工業大学
天候 雪…
雪景色が広がる北見工業大学の15号館入口の自動ドアの前にとある青年が立っていた。
「-15℃とか聞いてねぇし! てか何でドア開かねぇ!?」
青年の名は、
彼はもともと富山出身の大地主の息子だったのだが地元の大学に落ち、友人彼女親戚から縁を切られ、後期入試で合格した北見工業大学に入ることになったらしい。
彼は入学式の前に一通り見学したかったが、なぜかドアが開かず構内には入れなかった。
彼はガックシと肩を落とし、家路に着こうと出ていったその時…
彼は突然ふらつき、その場で気を失ってしまった…
############
彼は気がついたら真っ白な雪原に立っていた。辺りを見渡すと、そこには絶望的な景色が…
「「うわぁぁぁぁああああア!!!!」」
周囲の人々が悲痛な叫びをあげ、どんどん全身を凍らされていく…
「や、やめて
後ろにいた見知らぬ少女も足下から徐々に全身を凍らされていく…少女は十に手を差し出すも、その手は十には届かない。
十は動揺し一ミリも動けなかったが、周囲の人々が凍りきった後に自分の手を見ると…
#############
十は目を覚ました時には、15号館内1階の入口付近のソファーに横たわっていた。
「おい、君…大丈夫か?」
ペシペシと十の頬を叩いてる青年にコクリと頷き、ゆっくりと起き上がった。
「おお! 無事か! 入口付近でぶっ倒れてたから心配したよぉ! どうやら見学しに来た新入生ってとこか? 見学するなら連絡は入れとくべきだぞ!」
青年は、嬉しそうに十の肩に手を置いた。
一方、状況が整理出来ない十は、さっき見た自分の手をもう一度見ようとすると…
「そうか… 君は見たのか…
青年は、嬉しそうな表情から急に表情を曇らせ、悲しそうな…悔しそうな… 何か大きな事故にでも受けた人を見るような顔に変わっていた。
「え? 何ですか?
十はすぐに青年に聞いたが、青年は首を降り
「あぁ…何でもない… それより、俺の自己紹介がまだだったね… 俺の名前は
橋金は先程まではいてた手袋を脱ぎ、十に握手を求めた。
「…よろしくお願いします… ところでM2って?」
「あぁ、そこの説明を忘れてたよ。大学では学部生以外にも大学院生もいる。
そこで、
学部生は、学科orコース名+学年…
…たまにB(バチェラー)『学士』+学年
で呼ぶけど北見工大では少ないかなぁ
大学院生は、
M(マスター)『修士』+学年
D(ドクター)『博士』+学年
と、分かりやすく自己紹介することが多いんだ。
つまり、俺は修士課程2年生ってこと。
ま、頭の片隅にでも入れとき。」
説明した橋金は立ち上がり、ソファーの近くに600mlペットボトルに入っているお茶を置いた。
「お茶あげる。じゃぁな。」
橋金が手を挙げた瞬間、十の目の前から消えていた。
「橋金さん…嵐のような…人だったなぁ…」
ポカンと口をあけ
******
大学の正門を抜け、交差点を抜け、しばらく長い坂をまっすぐ歩き、坂を登りきった所に築20年くらいの青壁が目立つ2階建てアパートが見える。十はそこの1階105号室の扉の前に立ち、
(まずは準備から! やるぞぉ! エイエイオー!)
っと近所に聞こえないよう声に出さないでポーズだけしていたようだが…
「あっ」
十の手に持っていた鍵が腕を振った反動で近くの駐輪場の屋根に向かって放たれた。放たれた鍵が屋根に着くその瞬間…
「うわぁぁぁぁあああぁ!!?」
という叫び声と共に、駐輪場の屋根に誰かが叫びながら同時に
ズバキィ!!!
変な効果音をたてて駐輪場を一瞬にしてペシャンコに破壊した。
十は恐る恐る様子を見ると…
『やめて、十… なんで…』
屋根には、十の夢に見た凍っていった少女と同じ…まぁまぁ可愛い容姿をして、紅白の
これが、十と巫女装束の少女との初めての出会いであり、過酷な十の大学生活の始まりだった。
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