第4話 ♠のエース

 ポッコリお腹に、幸せが訪れる。

 元、ダイヤの13。

 現、美魔女のその人と、

 幸せな、日々を送る。


 オッチャンとは、不似合いなほどの美しい、黒髮、黒いひとみ、白い肌、赤いくちびる。

 モデルの様なその姿の隣。


 電柱に、とまるセミの様に、寄り添うオッチャン。


 チンチクリンのオッチャン。

 幸せそうな笑顔のオッチャン。


 しかし、

 美魔女の心配は、終わらない。

 白ウサギの、スペード。

 

 スペードは、唯一全て揃ったカード。

 エースの実力は、未知数。


 エースは、刺客。

 おそらく、パスタマンを……、

 愛するオッチャンを狙い。

 その命、奪いに、

 この地へ。


 ふたりで、歩くその先は、

 二人きりのウエディングベルを鳴らすための、教会。


 訪れた教会。

 神父さまと、打ち合わせ中、

 テーブルを囲み話し合う。


 突然の停電。


 次に、明るくなった時、花嫁予定の、

 オッチャンの大切な宝物、

 花嫁予定の美魔女

 その姿、

 消えていた。


『よくある展開』

      m(_ _)mサクシャ


 神父さま。

 気を失い、床に倒れて、

 その椅子には、乙女が。


 その女性の美しさ、

 この世のものとは、思えず。

 

 生命の熱を奪っていく、

 冬の夜空に瞬く星の光。

 たたえるそのオーラ。


 その視線、

 氷のナイフで、首を撫でられるかのよう。


 青く光る唇から、漏れる吐息は、この世の全てから、熱を奪い。


 細く折れそうな、腕を動かす軌跡からは、凍った空気が白く染まる。


「私は、スペードのエース。ダイヤの13は、あずかった。アリスが、お前の存在を忘れさせてくれる。もちろんお前もこの世界から消えてもらう」


 スペードのエース。

 人差し指を動かす。


 凍りついた白い空気が、弧を描くナイフの様にオッチャンに襲い掛かる。


 オッチャンの身体が光だし、イケメンに変身。

 その光、白いナイフを融かす。


「お嫁さんは、返してもらうモン」


 凛?と言い放つオッチャン。

 さらに、変身。

 パスタマン登場。


 ペペロンチーノアタック。

 しかし、スペードのエースが、軽くその手を上げるだけで、パスタは凍りつき、

 元の乾麺に戻る。


『地上に落ちた乾麺。

 ただし、味はついています。

 大切に拾い集め、

 袋詰め。

 即席パスタで小遣い稼ぎの』

      (^_^;)サクシャ


   (⁠*⁠❛⁠‿⁠❛⁠)⁠→チョットセコイワヨ


 大気が動き、

 水蒸気がエースの頭上に集まる。

 巨大な氷の槍

 姿現し、

 スペードのエース、

 パスタマンを指差す。

 一直線にパスタマンの身体を、目指し飛ぶ槍。

 パスタマン、巨大コンキリエを展開。

 しかし、やすやすと突き抜け襲い掛かる槍。


 しかし、その速度、わずかに弱まる。

 槍をマカロニで、包む時間出来る。

 包まれた槍に、熱々のホワイトソースとトロトロのチーズの抱擁。


 氷の槍、消え去る。


 スペードのエースの周囲に、2から13までのスペードの戦士現れる。

 まるで、グループアイドルの様に可愛い女の子の集団。

 オッチャンの鼻の下、伸びる。

 パスタマンの動き、わずかに遅れる。


 その瞬間、スペードの戦士、

 カードに変わる。

 スペードの

 トランプの

 カードに、

 手足をつけた、

 ペラペラの戦士。


 パスタマン、

 ペペロンチーノアタック、一束攻撃。


 カードには、口が無く。

 ペペロンチーノアタック不発。


 スペードのカードたち。

 一斉攻撃。

 オッチャンの脳裏に刻まれた、本体の可愛い乙女たち。


 オッチャンのスケベ心と、

 多勢に無勢。


 パスタマン、

 ボロボロに、敗れる。


 活動時間限界。

 イケメンに変身。


 スペードの戦士、

 イケメンを取り合う。

 アチコチ引っ張られ、さらにボロボロ。


 スペードのエース。


「せめてもの情け。お前をイケメンのまま葬ってやろう」


 イケメン。

 その姿、

 その時の流れまで、

 凍らされる。


 イケメン、いやオッチャン、いやパスタマン。

 この場で敗れる。


    

  

        m(_ _)mマダツヅキアリマス


   


 



 



 

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