ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~

三浦裕

人間をテイムできれば、貴族の女を外で裸にする事だって

 ビフォー


「何よこの薄気味悪いガキは! 貧民の分際でアタシの前に立たないでくれないかしら。蹴っ飛ばされたくなかったら、さっさとそこを退きなさい! シッシッ!」


 アフター


「まあ、なんて美しい子供なの。あなたはもしや天使様? ねえ、良ければ抱き締めさせてくれないかしら。ああ、可愛い……!」


 高慢な貴族の女は一瞬で態度を変えて、俺の痩せ細った体をギュッと豊かな胸に抱き締めた。


「かわいい、かわいい! ねえ、もっとキスさせて?」

 そう言いながら、頬にキスの雨を降らせてくる。


 ドサクサ紛れに胸を揉んでも、女はちっとも怒らない。

 むしろ、『どうぞ、好きにして』と言わんばかりに俺に大きな胸を押しつけてくる。


 貧しい生まれの子供が、貴族の女の胸を好き放題揉みしだく。

 通常ならありえない事が起こってる。


 この女は俺に何を要求されても断らない。

「俺を愛せ」

 と命令すれば、こうして俺にありったけの愛情を注いでくれる。

 そして――


「俺を養子にしろ」

 そう命令すると、女はすぐに頷いた。


「ええ、もちろんよ! あなたを育てられるだなんて、アタシすっごく嬉しいわ!」


 女は二つ返事で頷いて、俺をいっそう強く抱き締めた。

 俺はこの瞬間、喉から手が出る程欲しかった貴族としての家柄を手にいれたわけだ。


「アタシがあなたを立派に育ててあげますからね。最高の家庭教師を山ほどつけて、一角の男にしてあげる」


「じゃあ、母さんって呼んでいい?」


「もちろんよ。何かアタシにして欲しい事はある?」


「うん、山ほどあるよ。じゃあ母さん、――とりあえずおっぱい見せてくれる?」


「もちろんよ。さあどうぞ」


 女はドレスの胸元を下にひっぱり、ツンと上向く綺麗な胸を外気に晒したのだった。

 女の肌には染み一つなく、まるで塗料を塗られた陶器のように艶めいていた。


 日頃からいいものを食べているのだろう、肌の手入れを欠かしていないのだろう。

 街の貴族の体は、俺の村にいた女とは何もかも違っていた。


 バカなヤツめ。

 俺は女の胸を鑑賞しながらほくそ笑む。


 貴族のくせに夜遊びなんてするから、俺のような邪悪な子供に目をつけられるんだ。

 女はこれから先の人生の大半を、俺の下僕として過ごす事になるだろう。

 そしていずれは俺の子を産む事になる。胎に、俺の子種をまき散らされて――


『テイム』

 相手の体に触れながら、俺が一言そう唱えると、誰もが俺の言いなりになる。

 それこそが俺の力だ。


 森の神から授かったレアスキル【ヒューマンテイム】の力だ。


***********************



【テイム】

魔獣を従えるスキルのこと。

このスキルをかけられた魔獣は、ペットのように従順になる。


【ヒューマンテイム】

人間を従えるスキルのこと。

このスキルをかけられた人間は、ペットのように従順になる。

非常に希少なスキルで、使用者は歴史上三名程度しか存在しないとされる。


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