私と黒澤映画 V.2.1
@MasatoHiraguri
第1話 はじめに
2023年10月18日 15:14
黒澤明監督の約30本の映画には、それぞれ必ず明確なテーマがある。観客・大衆に訴えたいという熱い思いが、それぞれの映画に込められています。
処女作品である「姿三四郎」1943年では、明治維新から日清・日露・第一次・中国侵略・南方進出から太平洋戦争に至る軍事国家日本が描かれていました。
「虎の尾を踏む男たち」1945年ではであり、、当時のアメリカと日本との関係を、源頼朝とその弟源義経に置き換え、歌舞伎調のドラマに仕立てました。即ち、ペリーの来航以来、日本に金を貸し付け、戦争の仕方を教え、軍艦をはじめ様々な武器を供給し、日本をアジア一の強国に育てた「兄」アメリカが、今度はその「弟」日本を追討する、という。
また、「野良犬」1949 年や「七人の侍」 1954年では、日本の警察官(刑事)を、「生きる」1952年では日本の公務員を、「赤ひげ」1965年 では医者を、「どん底」(1957年) では坊主(宗教というもの)をと、様々な職業を通して、当時の日本社会ばかりか、何年経っても変わらないこの世の真理を描きました。
真実や真理ばかりでは生々しい・どぎつい・あまりにもエグいので、面白おかしいドラマやサスペンス仕立てにしたのです。
ですから、スターウォーズやスパイダーマンのような映画を観るのと違い、黒澤映画に込められている日本人としての熱い思いや真実探求の強い精神を、作者黒澤明と共有すべきであり、「黒澤映画の訴えるテーマを、自分の実際の生活や人生に当てはめる」という映画鑑賞の仕方をすれば、より楽しめるのではないか。
大学で「現実に真剣に・思いっきりぶん殴る」日本拳法をやられている方にとって、作り物の映画の中にリアリティー(現実)を見る、という鍛錬・習慣は大切だと思います。 その参考になれば幸いです。
2023年10月18日
V.1.1
2023年10月19日
V.2.1
平栗雅人
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