11.4
IGBT素子VVVFインバータ制御
4000系電車はこれと,レーザー溶接・つや消し仕上げを用いて滑らかな
たたえた,オールステンレス車体を持っているのに対して,台車から聞こえてくる音が釣りかけ駆動方式のものであることが特徴だ。
この日,
その途中で旧線の定期列車3本を待避するべく,
ワンハンドルマスコンへ手を添えるロジャー運転士が,いったん左手を離し,乗務員室のすぐ後ろにある側扉のみを手動で開閉できるように,スイッチを切り替える。
そして雉軸んは,デハ4073の側扉を手で開け,乗務員用プラットホームに降りた。
双瑞国鉄の列車ならば,運転士が乗務員室扉から出て,後続列車の通過を監視するのだが,彼らの場合は運転士とStoker(ストーカー)の二人一組でワンマン運転をするという理由で,通過監視はストーカー用の運転士行路表が割り振られている乗務員の担当だった。そして狭いホームのフェンスへ近付いた時に,雉くんは鉄道用地の外,木々の間から妙な気配がするのを感じた。
「雉軸ん,ちょっといいか」
「なんでしょうか,ロジャーさんも妙な気配を?」
「ああ,落とし窓を細めに開けただけで入ってきたな。それに魔導コンパスの針が南を向いていたから,偵察してくれ。運輸指令・参謀本部への報告と通過監視の方は,こっちで代わりにするからさ,何かある前に急げ」
「了解,お願いします。そしてすぐに向かいます」
と答えてから,ふと耐火フードを持ち込もうかと思い付き,車内のロングシートに数着置かれている新品のうち1人分を両肩にかけ,雉くんは
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