息子(18才)のほっぺが気になります

みずえ

第1話 完

画像・イラスト入りバージョンは、下記URLに掲載しております。

写真を見て頂くと、シコリ部分の様子が良くわかると思います。もし、興味がありましたら、下記URLにアクセスしてみて下さい。

https://note.com/mizue15369/n/nf66198f81ec2


息子が、親知らずを抜く事になった。歯科矯正の医師の指示で、紹介状を書いて頂き口腔外科で。

これまでにも、乳歯を2本抜いたり、上唇小帯を切ったりと、いろいろと指示されてきたので、あまり深く考えず「矯正に必要な処置なんだろうなあ」と思っていた。自分も、親知らずの抜歯をした事があったが、人から聞くほど痛みはなく、腫れもなかったので軽い気持ちで口腔外科に行った。けれど、レントゲンを見ると、息子の親知らずは、2本とも複雑な生え方をしていたので、一気に気持ちがうち沈んだ。「抜いた後は、一週間は腫れます」とも言われた。ここまで来たからには、もう、抜くしかないのだろう。それで、夏休みに予約をとった。

夏休みになって直ぐに、一本目を抜いた。左側の下の奥だ。待合室で待っていると、工事現場の様な音がした。『抜く』と言うよりは、『砕いている』と言う感じだった。抜いた後は一週間ほど、下顎の部分まで腫れて、顔半分が四角く見えたが、抜糸をする頃には、腫れは退き、いつもの頬に戻っていた。それから3週間後に、右側の下の奥の親知らずを抜いた。こちらは、前回の様な激しい音はなかったが、やはり一週間は腫れていた。その後、抜糸も無事に終わり「良かったなあ~」と思っていた。

それから、10日後の事だった。息子の左側のほっぺが、ちょっと膨らんでいるのに気が付いた。飴でも入っているの?と言う感じ。息子に聞くと「そうなんだよね。やっぱ、見てわかる?ちょっと前から、膨らんでるんだよ」と言った。「痛い?」「口を大きく開けると、ちょっと痛い」と言う。触ってみると、固いシコリの様な物が確認できる。シコリ…何か、怖いなあ…。

数日経過観察していたが、どんどん膨らみが増して行く。これはまずいな…と思い、口腔外科に電話をして状況を説明すると「今から、これますか?」と言われた。診察時間ギリギリだったが、どうにか間に合って診て頂いた。レントゲンを撮ったが、抜歯の後にバイ菌が入ったのか、隣の歯の虫歯治療の影響なのか、原因がハッキリ解らないみたいで、取り敢えず炎症を抑える飲み薬(アジスロマイシン錠250㎎)と痛め止め(ロキソプロフェンナトリウム錠60㎎)を処方され、「これで腫れがひかなかったら、次回CTを撮らせて下さい」と言われた。私は、しっかり歯磨きをしない事と、夏休み中の不摂生な生活で体力と免疫力が低下して、抜歯の箇所が化膿したのでは?と思った。

その後も、腫れは退かず、シコリは大きくなっていった。息子の口の中を見ると、膨らんでいる箇所は、歯茎ではない。ほっぺの内側の頬だ。「ん?これって、親知らずの抜歯は関係ない?腫瘍?」と不安が募ってきた。

レントゲンを撮ってから一週間後、口腔外科に行く。こういう事を口に出して言って良いのか躊躇ったが、思い切って聞いてみた。「これって、何か重い病気とか、腫瘍とかって事はありますか?」と。医師は「見た感じでは、それは、大丈夫ですよ」と言って下さったので、ホッとした。そして「頬の内側の腫れの原因として今の所考えられるのは、膿がたまっているか、虫歯治療の跡か、2本先の歯の虫歯っぽい所の神経か…と言う所なので、CTをとらせて下さい」と言われた。それで、CTを撮ったが、結果は「原因がはっきりと解らない」との事だった。息子の不摂生な生活で、免疫力が落ちていた事や、矯正器具の影響も考えられるとの事だった。結局、今日は、内側から針を刺して、頬の中の異物をとる事になった。強い麻酔は出来ないらしいので、痛みがあるかも知れないとの事だった。処置して頂く間、私は、待合席で待っていた。診察室から出てきた息子は、膨らんだほっぺに手を当てながら「痛い」と言っていた。麻酔は、どうやら塗るタイプの麻酔だった様だ。ほっぺの膨らみがなくなるくらい、吸引して下さるのかと期待していたが、見た目の変化はなかった。出てきた物は「膿」で、少し摂っただけだったらしい。

数日後の午前中、学校に遅刻届けをメールして、口腔外科に行く。シコリの存在は変化なし。診察室に呼ばれて、いつも通り診て頂くが、今日は、まず、口の中を見て、シコリの部分を触り、その後、息子の首を丹念にチェックし始めた。目が点になった。リンパのチェックだ。そういう診察をするって事は、癌を疑っているのか?と。ドキドキした。そして「一度、検査をさせて下さい。MRIと超音波と血液検査を」と言われ、益々、怖くなる。それって、癌の検査と一緒じゃん。診察が終わったのは12時過ぎ。息子が「早く学校に行きたい」と言うので、受付の方に事情を説明して、息子を駅まで送り、私は1人で病院に戻った。口腔外科の待合席に行くと、看護師さんが来て、検査の予約の設定してくれたが「医師が、できるだけ早く検査をしたいと言っています」と言われ、その言葉に、益々不安が募った。その時、医師が待合席まで出て来てくださった。そういう行為も、不安になる。「先生、先ほど、息子の首の辺りを調べて下さっていましたが、何か、悪い事でしょうか?」と聞くと「我々は、一番悪い所から調べるのが普通なので」と言った。この台詞、父が癌になった時にも、医師から言われたなあ…と思った。

息子のほっぺにシコリを発見してから、毎朝、息子が起きると、ほっぺの様子を見て、触る。治っていたら良いなあと。でも、シコリはそこにいる。

9月中旬。シコリをみつけてから約3週間が経過した。この日は、午後2時から検査だ。順番は、血液検査・超音波検査・MRI検査。息子は朝、普通に登校し、4時間目が終わってから早退して駅で待ち合わせをした。車の中で、お弁当を食べさせたが、あまり食べなかった。緊張しているんだろうか。口腔外科の受付に行き、今日の検査の順番と説明を聞き、セルフサービスで検査を受けに行く。まず、採血。そして、超音波。検査が終わって、マスクをとった状態で出てきた息子のほっぺを見て、ビックリした。オデキらしき物が表面に出きていた。まるでボタンの様。今朝は、なかったのに。息子も、ずっとマスクをしていて、さっき超音波検査の時に気が付いたらしい。これって、良い兆候なんだろうか?

(写真)

その後、MRIの所に移動し、待っていたら「今、検査が押していて、1時間くらいお待ち頂く事になります」と言われたので、一旦口腔外科で、このほっぺの状態を診てもらおうと思い、口腔外科に戻る。しばらく待っていたら、医師が診て下さった。その時には、血液検査と超音波検査の結果が医師の手元に届いていて、それを見た医師が「血液検査の結果は、少し炎症反応が出ているなあってくらいで、超音波も悪い物は見えなかった」と言った。今のこのほっぺの状態を見て『想定内』と言う感じだった様で、「これが、内側に出れば良かったけれど、表面に出ちゃったんですね。少し針を刺して、中の物を出しちゃいましょう」と言って、また針を刺して中の膿を出す処置をして下さった。今回は、表面から。診察室から出てきた息子は「痛かった~。このくらいの膿が出た」と、指で小さい○を作った。血液検査の結果も頂いた。次の予約日を決めてから、MRIの所に戻ると、すぐに撮影してくれた。撮影箇所は顔だけだと思うが、30分くらいかかった。待っている間に、血液検査の結果をスマホで調べた。医師の様子や、血液検査・超音波の結果を見て、悪性の腫瘍や、大きな病気はなさそうな気配だったので、安心した。安心した時、自分がとても不安に思っていた事に気が付いた。そして、また口腔外科の窓口へ戻り、会計をして帰宅した。


先日の検査から5日後、口腔外科へ行く。先日撮ったMRIの映像を見ながらの説明。映像には、親知らず抜歯の箇所から、ぼやっとした影が上に向かって伸びているのが見えた。

(イラスト)

その影は、膿との事。原因は、やはり親知らず抜歯後の化膿だった。今後の処理としては、化膿止めの抗生物質(クラリスロマイシン錠200㎎)を一ヶ月飲んで、その間に、抜歯した所を再度切って、そこから膿をキレイに掻き出すとの事。具体的に説明すると、こちらが怖がると思ったのか、この先生は、いつも控えめな言い方をする。親切で、威張らなくて、ちゃんと説明はしてくれるんだけど、ちょっと不安が残る説明の仕方だ。一ヶ月分の抗生剤を処方され、次の切開する日を決めて会計。混んでいる病院で、なかなか早い日に予約が取れない。次の予約日は、10月中旬になった。このほっぺの腫れの治療で、何度、学校を早退・遅刻したか…。早く、終わって欲しい。元通りになって欲しい。医師には“とても希なケースです“と言われた。息子の、不摂生も原因の一つだと。体力が落ちている時に、帯状疱疹になっちゃうみたいな感じらしい。この話しを、妹に言ったら「ホントに、希な事が多いよね」と言われた。

その後、息子は、一日2回、抗生物質を飲んでいた。けれど、シコリは変化なかった。抗生物質を飲んで、膿がなくなる訳ではないだろう。何の為の抗生物質なんだろう…と思っていたら、抗生物質を飲んで4日目に、オデキらしき所がもっと腫れて、赤黒くなり、一箇所小さな穴があき、そこから膿が出ていた。オデキの部分は、膨らみすぎて、皮がむけて白く粉がふいた様になっていた。マスクをすると、こすれて痛いと言う。病院に問い合わせようにも、その日は日曜日で電話は繋がらない。明日、朝一で、電話しようと思う。

(写真)

幸い、「痛くてご飯が食べられない」と言う事がないのが、良かった。「このオデキが、口の中だったら跡が残っても気にならなかったのに…」と思ったが、染みたりして、ご飯が食べられなかったかも知れない。BMIが14.5しかない息子なので『食べられない状況』と言うのは、避けたいと思う。

翌日の月曜日、学校に遅刻の連絡をしてから、病院に連絡をして、状況を説明する。「もしかしたら、皮膚科に行った方が良いですか?」と聞くと、「こちらに来て下さい」と言われたので、口腔外科に連れて行く。口腔外科に向かいながら「この状態は、外科とか皮膚科で診てもらう事なのではないか?総合病院だから、そちらの科にまわされるかもなあ…。私、診てもらう科を間違えたか?」と自分の判断に不安を感じていた。

予約をしていなかった為、1時間くらい待ってから呼ばれた。息子のほっぺを見た医師は、「想定内」と言う感じの表情だった。

<質問内容>

私:このまま切開すると言っていた12日まで保留で良いのか?

医:はい

私:表面に化膿止めの様な薬を塗らなくて良いのか?バイ菌が入らないか?

医:何もしなくて良い

私:マスクでこすれて、皮がむけヒリヒリすると言っています

医:それならば、ワセリンの様な物を塗ると、良いですよ

私:顔に跡が残りませんか?

医:大丈夫ですよ

以上の質疑応答の後、医師から息子に「しっかり睡眠をとって、しっかり食事を摂っていますか?」と言葉があり、息子は小さい声で「はい」と答えていた。  

これで、診察は終了した。今日は、本当に、“見た”だけだった。口の中を診たり、触ったりする事もなかった。

会計の後、薬局で大きめの絆創膏を買い、ほっぺに張って、息子を駅まで送った。結局、患部を切って、膿を出す方法しかなくて、それは予約した12日じゃないとダメって事なんだ。

それから、数日後の日曜日。息子は、友達と遊びに行った。いつもの様に、ほっぺに絆創膏を貼っていたんだけど、帰宅して、絆創膏をとったら、膿がたくさん出ていた。そして、すこし膨らみが小さくなっていた。何か、良い感じだ。

(写真)

翌朝、息子のほっぺの様子を見る。また膿が出ていて、昨日よりも平らになっている感じがした。そして、夕方。学校から帰宅した息子が鏡の前に立って、絆創膏を剥がしていたので、近寄って一緒に見る。剥がす瞬間は「良くなっているんじゃないか」と言う期待でワクワクした。この時は、朝よりも、もっと平らになっていたが、見た目が悪くなっていて、何か、緑のシンの様な物が見えた。息子は「何これ?この緑の。これって、神経?」なんて心配そうに言っていた。「皮が剥けて、絆創膏に当たると痛い」と言うのでワセリンを買いに行く。そして、滅菌ガーゼにワセリンをつけてから、頬に当て、テープで押さえた。

(写真)

翌朝、ほっぺを見ると、昨日よりも平らになり、表面もキレイになっていた。ワセリンの効果かな。

(写真)

(写真)

見た目は、治ってきた様に見え、もう切開しなくても良いんじゃないか?と思ったけれど、ほっぺの患部付近を触ると固い。固い部分は、膿が出る前よりは小さくなっているけど、しっかりと存在している。MRIで見た通り、やはり、頬の中に溜まった物は、切開して出さないと、出し切れないのだろうか。一度切って、縫った所をまた切るなんて…想像しただけでも怖い。可哀想に…。痛みで食事が摂れないって事がないと良いんだけど。こうなった原因の1つには、自分の不摂生な生活と言う事を、息子には自覚して欲しいと思う。

「ほっぺに飴玉が入っている?」と思った日から、約40日経過。やっと、切開してもらう日になった。診察室に入り、息子のほっぺを見た医師は、「やはり、内側を少し切らせて頂いて、中の物をキレイにしますね」とおっしゃった。「宜しくお願いします」と言い、私は待合席に戻った。20分後に呼ばれて、また診察室へ入った。口の中側も化膿していたそうで、キレイにして下さったとの事。膿の中から、食べカスの様な物が出てきたらしく、これが原因だったのでは?との事だった。また、炎症を抑える飲み薬(アジスロマイシン錠250㎎)と痛め止め(ロキソプロフェンナトリウム錠60㎎)を処方された。アジスロマイシン錠250㎎は、3日飲むと7日効果があると言う抗生物質で、7日後は、またクラリスロマイシン錠200㎎を飲むように言われた。お礼を言って、会計に進んだ。

処置後の息子のほっぺを見たら、処置前よりも平らになっていて、青あざっぽくなっていた(殴られた跡みたいな…)。触ったら、ゼリーみたいにグニュっと柔らかくなっていた。口の中を見せてもらうと、頬の内側に縫った跡があった。親知らずの抜いた所を再度切って膿を掻き出すのかと思ったら、ほっぺから掻き出した様だ。これで、一件落着かなあ。

一週間後には、学校で卒業アルバムの撮影がある。それまでには、跡がキレイになっていると良いなあ。残っていたら、それはそれで、思い出かな…。

(写真)処置前

(写真)処置後

翌朝、ほっぺ全体が腫れていた。これは、昨日息子が医師に「しばらく、腫れると思います」と言われたそうで、想定内の事の様だ。患部は、まだシコリが残っている。これが、だんだん消滅していくのだろうか?

(写真)1日経過 ほっぺ全体が腫れていた

(写真)5日経過

(写真)5日経過

殆ど、平らになっているが、まだシコリはある

いよいよ卒業アルバム撮影日。前日、息子は、担任の先生にこの患部を見せて、ここだけファンデーションを塗っても良いか確認し、OKを頂いたとの事。

(写真)6日経過(卒業アルバム撮影日)

(写真)ファンデーションを塗った

(写真)ファンデーションを塗った

どうでしょうか?

息子は、ファンデーション(私の)を持参で登校し、撮影前に、化粧直しすると言っておりました。

ここまでで、「ほっぺに飴玉が入っている?」と思った日から、約54日経過した。一番酷い時と比べたら、だいぶキレイになったと思う。このくらいで充分だろう。後は、まだ少し残っているシコリと、口の中のキズが治って(毎日、痛み止めを飲んでいる)完治する様に、引き続き、健康管理をしていって欲しいと思う。


あんまり病気ばかりする虚弱な息子なので、早めに医療保険に加入しておこうと、保険屋さんに相談し、割高なんだけど、持病があったり、手術入院をした事がある人(2年前に心臓手術をした)でも加入できる限定告知型保険に入ろうと検討していたら、なんと、親知らずの抜歯は手術に該当するそうで、限定告知型保険でも、術後一年以上経過しないと加入できないと言う事が発覚。何てこった…。しかも、BMIが低い人は加入できないらしい。トホホ…(>_<)

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