次世代童話 ジルバを踊る女

@Propatria

豊穣の日々

世がまだ太平であった時代、西の大国にドルアという街があった。


ドルアにはたくさんの人が住み、たいへん栄えた街であった。


ドルアで一番えらいお役人はある日、街のどこかに財宝を隠したと宣言し、ピストルで自分の頭を撃ち抜いたそうな。

それを聞いた街の人々は狂喜乱舞して街中をひっぺり返し、結果街は荒廃して人口は減り、間を置かずしてならず者が集まる魔界都市へと変貌したそうじゃ。


結局財宝も出ないまま人々の興味は薄れ、最後は廃墟となったドルアじゃが、ある日そこに靖子と名乗る異邦人がやってきてこう言ったそうじゃ


「あたいのジルバで痺れチャイナよ」


その女は急に珍妙奇天烈な舞を踊りだし、街中はエンヤエンヤの大騒ぎ。

ボルテージがどんどん上がり、場のテンションが上がりきったその時


「これが、財産だよおめーら。このバイっっブスがさ、生きてることじゃん?」


嗚呼、これがあの財産かと街は沸き立ち涙は零れ皆が嗚咽の大円満。


それからというもの、4月20日はジルバでキメキメすることが伝統となり、この地に平穏がもたらされたのじゃ


おしまい

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