帯状疱疹

幸せ色に♪ 🌈

第1話 巷でよく聞く帯状疱疹

体、痛む?

起き上がれないのか。

大丈夫? 昨日より、ひどい?

病院に行ってお薬弱いものに変わって、寝る前に1錠だけになったばかりなのにな。

どうしたんだろう。


ひとまず、落ち着こう。

ちょっと昨日診てもらった先生に連絡してみる。

1人で少し待てる?

1人にしないでって、俺の服の裾つかんで。

わかった、わかった。


今まで処方してもらってたロキソニンがほしいのか。

そんなに痛みがしんどいんだね。

声もうわずってるし。

よしよし。


ちょっと、服まくってくれる?

発疹が増えていないか確認させて。

君の主治医の先生にいわれた。

いい?みせてくれる?

えらいね。

じゃあ、ちょっと失礼するよ。

うーん、発疹増えてるな。

しかも、前とは違う場所にたくさん。

これは、帯状疱疹を再発した可能性があるな。


ごめん。

嫌だと思うんだけど、今から病院に行こう。


(独り言風に)

この2週間、俺も精いっぱい家事を手伝って、

好きなこと沢山して、好きなものばかり食べて、

ストレスフリーな生活を送れていたはずなのにな。

なんでだろ?



さぁ、着いたよ。

時間外だけど、先生待っていてくれてるよ。


行かない?

え、痛くて痛くて困っているんじゃないの?

ロキソニンちょうだいって言われてもなぁ。

ちゃんと、診察してもらってからじゃないと。

痛み止めにもいくつか種類があるし、痛み止めのお薬だけだと、根本的な治療にはならないから。


ね、ちょっと頑張ろ。

前回でわかってるでしょ。

痛いことも怖いこともなかったよね。

ね! いい子だから。


病院が嫌なのって、わかってるよ。

君が病院苦手だということ。

でも、このままだとしんどいでしょ。

それに、もしまた帯状疱疹だとしたら、早めの治療が大切なの。

それは、この間のときに説明したよね。

ひどくしちゃうと、入院することになるかもしれないし、発疹がひいても

あざとして残ってしまうことも少なくないんだって。

それは、困るでしょ。


そうだよね、困るよね。

じゃあ、頑張ろう。

よし、車降りて、診察室に向かうよ。


あらら、泣いちゃうの?

大丈夫、ね、大丈夫だから。

痛いの、痛すぎるって、それはかわいそうに。

痛くて泣いちゃうなんて。

抱っこしようか、診察室まで。

自分で歩けるの?

無理しなくていいよ。

ほら、うずくまるほど痛いんだから。

抱っこするって。

おいで。

大丈夫ってさ、無理する必要はないよ。

こういうときは、甘えてよ。


大丈夫だもんってさ、大丈夫じゃないときに大丈夫って言ったらいけないって、

いつも君には伝えているはずなんだけど。


それでも、まだ大丈夫っていうんだね。

無理しすぎだよ。


やっぱり病院には行かないでおうちに帰りたい?

ねー、俺のさっきの話聞いてた?

ひどくなったら、とりかえしのつかないことになるよって話したでしょ。


わかってる? なら、頑張るよ。

無理なの? わかってるのに?


ほらー、泣かないで。

落ち着こう。

ひとまず、待合室に移動しよう。

そこでお話しよう。

君の今の気持ちを聞かせて。

車降りよう。


行かない!って、そんな語気を強めなくても。

どうしたの? 何かあった?

一度、車降りようよ。

話ちゃんと聞くからさ。


大丈夫。

何があっても、俺が君を守り抜くから。


ね、車降りよう。

降りてくれるの?

えらい。勇気出してくれて、ありがとう。



さ、待合室に着いたね。

ここまで来れて本当にえらかったよ。

がんばった、がんばった。

病院に行きたくない理由を聞こうかな。

聞かせてくれる?


また再発してたらって考えると怖いんだね。

そうだよね、怖いよね。

しかも前回と比べると、比べ物にならないほど痛いから、今自分の体がどうなってるのか怖くてか。

うんうん、なるほど。

他に何か困っていることとか、悩みはある?

なんでも聞くよ。

他は特にないんだね。


診察室でも、ゆっくり君のペースですすめてもらえるようにお願いするよ。

それなら、頑張れる?

お、えらい。頑張ってくれるんだ。

痛いのもう我慢できないからって、ごめんな。

つらいよな。


よし、診察室にいくよ。

早く楽にしてもらおうな。


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