第2話 日本と異世界


 金貨が売れるかどうかがわからなかったので金の買取店へと訪れる。

 金貨は18Kだったみたいで二分の一ozオンスで117800円になったので3枚売る。35万にもなった。

 大金貨はもっと価値があるのだろう。

 服を収納する棚を買い、路地裏でバックに詰める。なんとするりと入ってしまった。このバックは手放せないな。

 家に帰り収納棚を出して段ボール箱のものをしまって行く。ようやく片付けが終わった。すっきりした部屋にようやく落ち着いてコーヒーを飲む。


「ふぅー、わざわざ働かなくても良くね?」

 俺は高校卒業と同時に親父が亡くなり、工場に仕事に入って、そろそろ半年になるからと家を売ってから一人暮らしを始めたのだ。工場だから疲れるしやめたいと思っていたところだからちょうどいいや。とりあえず金は金貨をちょっとまとめて売るか?そんである程度貯まったら会社を辞めよう。


 まだ四時か。あっちにいってみるかな?

 異世界も時間が止まってるようでまだ夜だった。宿に泊まり目を覚ます。

 あー、昨日は疲れたからなぁ今日は魔法屋にでも行くか?

 魔法屋に行って他におすすめを聞くと四大魔法と呼ばれる火、風、土、水の魔法を勧められたのでそれを大金貨一枚で買うとそれを覚える。

 やはり試したくなるので薬草とりがてら魔法の練習をする。キラーラビットにウォーターカッターを使うとすぐに倒れた。解体をしてバックに詰める。薬草も取りながらだから結構忙しいな。


 とそこへ牛がツノを下に向けて突っ込んできたので避けるとまた方向転換して突っ込んでくる。綺麗に首を斬ることができたので解体してバックに詰める。なぜ俺に突っ込んできたのかわからないがウォーバッファローと言うらしい。

 キラーラビットを狩りすぎたのかな?と思ったがどうやらここはウォーバッファローの生息地のようでいろんなところにいるようだ。

 自分を鑑定してみると、

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 ヒロト  十八歳  ランクF

 レベル15

 スキル 剣術 解体 鑑定 身体強化 魔力循環 生活魔法 四大魔法(火、風、土、水)

 ユニーク 異世界人

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 ほうほう、異世界人?そのまんまだけど?

 ギルドに戻り薬草を渡す際に。

「獲物を狩ってきたんだけど、それはあっちですか?」

「素材の買取ならあっちですね」

「わかりました」

 またあの血生臭いところに入ると、

「おう、今日も来たのか?」

「はい、これを売りたいんですけど」

「お、マジックバック持ってたんだな。キラーラビットが六匹にウォーバッファローが一体か、解体も済んでるし最高値だな」

「はいありがとうございます」

 金貨20枚と銀貨6枚を受け取る。

 ウォーバッファローは金になるけど解体がめんどくさいなぁ。

「解体もここでやってるぜ?金はかかるけどそっちの方が楽だろ?」

「はい!わかりました」

 異世界が楽しすぎてつい一日いてしまったが、後悔はしてないしもう部屋に戻ると夕方だから飯を食って風呂に入って寝るだけだ。

 今日はまだ土曜だから明日も休みだ。

 金貨を売りに行くとするか。


 翌朝起きて身だしなみをチェックすると少し筋肉質になっている。どうりで筋肉痛がひどいわけだ。

 金の買取をしてもらいに店に行く。

 金貨100枚を蔵から出てきたと言って売ってしまう。なんと1170万になるそうで口座に振り込みだ。一応全部鑑定してもらい問題ないしあとは振り込みを待つだけだ。

 確定申告しなくちゃだから家を売った時の税理士に相談だな。


 とまぁ、まだ先のことはいいとしてこれからまた一日異世界に行こうかと思うが何かいるものあるかな?

 100均でガラスのグラスをいくつも買ってバックに詰めておくスケルトンの時計が好評だったのでそれも買っておく。


 また金に困ったら売ればいいだろう。

 と言うことで異世界にレッツゴー!

 浮かないような服装で外に飛び出すとなぜか、からまれてる現場に遭遇してしまった。

「いや、すいませんね」

「誰だテメェは?」

「どっから出てきた!」

 こちらの人間には扉は見えないみたいだな。しかし大男が何人かいるし、後ろは女の子?

「た、助けてください」

「この子が何かしたの?」

「こいつの親が金借りてんだよ!それとも何か?お前が払うってのか?」

「因みにいくら?」

「大金貨5枚だ」

 どうだと言わんばかりの男に大金貨5枚を渡す。借用書はトーチで燃やした。

「これでいいでしょ?」

「チッ!こっちはこれでいいが!借用書を燃やすのは余計だ!」

「別に借金返済したらどうだっていいでしょ?」

「小生意気だなお前!」

 取り囲まれる俺は内心ビビっている。

「エアカッター」

「うおっ!お前魔法使いかよ!」

「ダメだ俺らじゃ勝てねえ、逃げるぞ」

 ふぅ、なんとか逃げてくれたな。

「あ、あのありがとうございます」

「いいよべつにって、なんで土下座?」

「あの、あたしはなんでもしますから言ってください」

 こんな少女にこんな真似させていいわけないわな。

「じゃあとりあえず立って、この街に慣れてないから少し歩こうか?」

「は、はい」

 この子の名前はメルティ、俺と同じ歳らしいがお母さんが病で倒れてから辛い思いをしてきたらしい。

 んー、魔法屋に回復魔法は売ってないかなぁ?

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