第9話 ゴブリンアイドル
「父上、いよいよ今日はGBR48の初ライブですよ」
「ホントウニ、コンナコトデゴブリンノイメージガヨクナルノカ」
「父上は心配性だなぁ。俺がもといた世界では宇宙戦争を歌で何とかできるくらいですから」
「ソンナモノナノカ」
緑色の醜い小鬼と言われるゴブリンの見た目を良くするのは、当初困難と思われていた。
しかしゴブリンプリンスのチート能力により、ゴブリンシャーマンがゴブリンインキュベーターに進化した時点で話は変わった。
それまで、繁殖専用だったゴブリンマザーがゴブリンインキュベーターにより、ゴブリンアイドルやゴブリンモデルに進化したのだ。
これはゴブリンマザーの人(G)権向上にも役立った。ペットのブリーダーに、繁殖用メス犬が妊娠を強いられるように、劣悪な環境で寿命も短かったマザーたちは、繁殖能力を失うことなく心身ともに健康な生活を送れるようになったのだ。
ゴブリンプリンスしかできない仕事だったゴブリン進化が、俺なしで回るようになりいよいよ左うちわの人(G)生が始まるとワクワクしていた。
…………………………………。
と喜んでいた時期が俺にもありました。
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