JKが家出?した様で可哀想だと思って拾ったみたいですが記憶にないです。

アキノリ@pokkey11.1

第一章 新しい夜明け

!?

第1話 やけ酒、後

☆長谷美宏太サイド☆


この世界には様々な事が起こると思っている。

だけどまさか俺(長谷美宏太)の様なくたびれたサラリーマンが.....美少女JKを道端で声をかけて家に招き入れて拾うとかどんな夢だろうか。

「誘拐罪だな」と思える。


こんな夢を見るとか最早疲れているにも程がある。

思いながら俺は起き上がってみる。

そして大欠伸をした。


「あ。起きましたか?宏太さん」


1人しか住んでない家のアパートで明るい女子の声。

部屋に制服姿のJKが居る.....。

顔立ちは人形みたいな途轍もない美少女。

栗毛色の長髪をしている。

そして四葉のクローバーの髪留めをしている。


うん?これはまだ夢を見ているのか俺は。

考えながら俺は「すまん。君は.....」と言うと頬をぺちっと叩かれた。

「寝ぼけていますね?」と頬を膨らますJK。


「昨日、紹介しましたよね。私の名前は吉田美歩(よしだみほ)って」

「.....俺はどうも寝ぼけている様だ」

「そんな訳無いでしょう。これは夢じゃ無いですよ。現実です」

「.....という事は.....」

「お疲れの様ですね。昨日は私を拾ってくれてありがとうございました。泊まるところが無くて行き倒れするところだったので」


唖然とする俺。

昨日はやけ酒をしていた.....馬鹿な!?

俺はマジにJKを拾っている!?

女子高生を!!!!?


青ざめながら俺は吉田さんを見た。

そんな吉田さんは俺を見つつ部屋を見渡した。

それから「もう直ぐトースト焼けます。お仕事行かれるんですよね?」と俺に新妻の様ににこやかに聞いてくる。


「待て。君は帰らなくて良いのか」

「昨日言いましたよ?私は帰らないって」

「待って、待て」

「待ちません。早くしないと会社に遅れますよ?」


そんな事を吉田さんは言いながら「早く着替えて下さいね。お洗濯します。それから顔が酷いので整えた方が良さそうです」と俺に笑みを浮かべた。

俺はその言葉に「あ、ああ」と返事をしながら立ち上がった。


それから洗面所に向かい水を顔にぶっかける。

そして鏡を見ると「確かに酷い感じだな」と思えた。

髭も生やして顔はやつれている。

何というかしがないサラリーマンでは無く。

ただのクズサラリーマンだな。


「.....時に俺は.....マジにJKを拾ってしまったのか.....」


ぜんっぜん記憶にない。

昨日の事はフラれたのでやけ酒をしていたのだが。

全てがあまりに唐突で記憶に無さすぎる。


どうしたら良いのだろうかこれは?

誘拐罪とかになるのか?

考えながら時計を見てみると時刻がかなり過ぎ去っている。

「まずいな」と考えながら俺は顔を洗ってから表に出た。

それから鼻歌混じりに準備している吉田さんを見る。


「あ。宏太さん」

「洗った。ありがとうな」

「そうですね。お部屋が汚かった感じだったのでちょっと寝ている最中、申し訳なかったのですが早くに起きたのでお部屋を片付けたのもありまして.....タオルなども新しかったかと」

「確かにな」

「そうですね」


吉田さんは準備をしている。

それからスクランブルエッグとハムなどの食材の乗ったプレートを出した。

俺はその姿を見てから湯気の昇る料理を見る。

見るからに「美味しそうだな」と思えるものだった。

すると吉田さんが俺に微笑みを浮かべる。


「お髭も剃って格好良くなりましたね」

「俺?.....俺は格好良くないよ。アハハ」

「いや。そんな事は無いです。格好良いですよ。.....ささっ。早く食べて下さいね」

「.....なあ。吉田さん。君は.....」

「帰れって言うなら今は帰りたくないです。.....私は.....」


俯いてから複雑な顔になった吉田さん。

それから首を振った。

俺はその姿に何も言えなくなる。

何故俺が拾ったとは言えこんなに警戒してないのかそれが気になる。


「君は何故そんなに.....俺に警戒してないんだ?」

「私ですか?.....男性への警戒心なんてとっくの昔に捨てました。家出してから」

「.....俺としてはもっと警戒心を持った方が.....」

「あはは。そうですね。それはそうと.....時間がないですよ?」


そしてはぐらかされた。

俺は会社に遅刻する訳にもいかず。

そのまま吉田さんを置いてから歩いて行ってから会社に出勤した。


困った事になってしまった。

俺はいつどこでJKを拾ったのか全く覚えてない。

思い出せるだろうかこれ?

じゃないとマズイ。

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