第2話:跳ねる。

「あっ!」


 うっかりよそ見をしていたら、手からスマホが!

 どうしよう、このままだと壊れちゃうよ!


 ……でも大丈夫! 見てて!



 地面と熱烈なコミュニケーションを試みたスマホは、それが始まった次の瞬間、大きく跳ねた。そして主に突進する飼い犬のような所作でこちらに――わたしはタイミングよくキャッチ。

 スマホは無事である。


 どう? 凄いでしょ!


 ひと昔前のスマホは二つ折りにできる機能があったらしいけど、現代いまはあらゆる形に変えることができるの!

 例えば……球状とかにね。

 その表面を弾性カバーで覆えば今みたいに……カバーのアレコレを少し間違えると跳ねすぎて宙に飛んで行ったり、マンガみたいに顔面にめり込んだり……でもスマホが無事ならそんなリスク、たいしたことないよ。


 スマホはともだち、だからね!

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