第7話
○7月22日火曜日 16:05
皐月高校 3階 渡り廊下
タイラ
「くっ!」
神太郎
「えらく物騒なもんをぶら下げてるじゃねぇか」
「先輩よぉ」
「学校で勉強以外に関係ないもん持ってくるなって」
「先生に注意されなかったのか?」
銃声
タイラ
「なに⁉︎」
神太郎
「おいおい先輩」
「いきなり撃つなよ」
「痛ぇじゃねーか」
タイラ
「──なら」
「これならどうだい?」
機関銃の連射音
月夜
「きゃああああああ!」
神太郎
「くっ」
「てめぇ」
「少しは手加減しやがれ」
「馬鹿野郎が」
タイラ
「……」
「すごいな」
「感動するよ」
「この世で生身で機関銃の弾を受け止めることができる人間がいるなんて……」
「君」
「何者?」
風切音
タイラ
「がはっ!」
神太郎
「知るかよ」
「答える義理はねぇよ」
タイラ
(──な)
(なんてパンチだ)
(ボディブロー一発で)
(内臓がひっくり返ったかと思った……)
神太郎
「学校のみんなを元に戻せ」
「勝負はついたぜ」
「あのチビ女の能力だっていうのは知ってるんだ」
「負けを認めろ」
タイラ
(──しかし)
(恐るべきは彼の並外れた腕力ではない……)
(魔力生成した弾丸を弾き飛ばすことができる)
(『法力』の方だ)
(ヴァチカンの聖遺物ですら破壊できる僕の弾丸が貫通しない肉体が存在するなんて……)
神太郎
「おい聞いてるのか?」
「なにぶつぶつほざいてやがる」
「もしもーし」
「聞こえますかー?」
タイラ
(彼の全身に刻まれたこの文字……)
(梵字に見えるこれは……)
(仏教の経典ではない)
(経典に偽装した何か……)
(──オラショか)
(これがカクレキリシタンたちが使うとされる)
(『聖典』か)
神太郎
「聞こえてないなら仕方がねぇな」
「歯食いしばれ」
「テメェの足腰が二度と立てないように」
「ボコボコにする」
関節が鳴る音
タイラ
「──ああ」
「そいつは勘弁してほしいな」
金属音
神太郎
「⁉︎」
「──な⁉︎」
月夜
「え?」
爆発音
月夜
「──けほけほっ」
神太郎
「ぐぅぅううう」
月夜
「神太郎くん⁉︎」
「背中が⁉︎」
神太郎
「平気だ──」
「ちきしょう」
「あの野郎」
「手榴弾なんてぶん投げやがって」
出血音
月夜
「動いたらダメだよ!」
神太郎
「クソ‼︎」
「隠れてないで出てこい⁉︎」
「俺との勝負は終わってないぞ⁉︎」
タイラ
「……」
「なるほどね」
「その『刺青』…」
「耐久力に限界はあるみたいだね」
神太郎
「⁉︎」
タイラ
「僕は『銃火器』を具現化する能力を持っている」
「ハンドガンや機関銃だけじゃない」
「『ロケットランチャー』だって出すこともできるのさ」
発射音
神太郎
「おらぁっ!」
打撃音
タイラ
「なに⁉︎」
月夜
「きゃあああ!」
爆発
天井が崩れる音
タイラ
「──すごいな」
「RPGの弾頭を」
「アッパー一発で軌道を変えるなんて……」
タイラ
「……」
タイラ
「ずるいな神太郎くん」
「隠れるなんて卑怯だぞ」
「僕との勝負はまだ終わってないんだから」
To be continued…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます